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内閣府国際交流事業:夏のスタディツアー その2

9月16日。

この日は、内閣府主催の「国際青年育成交流事業」の一行が、バイヨン・インフォメーション・センターとバイヨン寺院の修復現場を訪問されました。日本全国から選抜された、大学生と社会人の方から構成されたこの視察団のご案内は、JASA技術顧問である下田が担当。

 

このときの参加者の一人である、京都大学の杉野さんより、帰国後に感想をいただきましたので、ご紹介します。

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2009年9月5日から22日の18日間、私たちは内閣府青年国際交流事業の一環としてカンボジアに派遣していただきました。団長、副団長、10名の団員の計12名でカンボジアの青少年との交流や日本大使館などの表敬訪問、JICAなどの視察をしました。主にプノンペンでの研修が大半でしたが、シェムリアップに4日間滞在することができました。

  

シェムリアップの滞在期間中に私をはじめとして団員たちが楽しみにしていたのは、やはりアンコール遺跡群の見学です。まずバイヨン・インフォメーション・センターにお邪魔し、日本国政府アンコール遺跡救済チーム技術顧問の下田一太さんにお話しを伺いました。

 

センター内はパネル展示と映像での紹介もあり、初めて訪れる私たちにとって非常に分かりやすい内容でした。パネルでの世界各国の修復チームの紹介では、こんなにもたくさんの国々が支援をしているのかということを初めて知り、アンコール遺跡が「修復のオリンピック会場」とも呼ばれる理由を改めて納得しました。日本政府が携わっている修復についてフェーズごとに追ったビデオや、アンコール王朝の変遷についてのお話を伺い、更に理解を深めることができました。

 

 そして、いよいよ私たちが楽しみにしていたバイヨンの見学です。技術顧問の方に修復現場とバイヨン内を案内していただきました。はじめに目に飛び込んできたのは巨大な四面像でした。そして近づくにつれてアプサラのレリーフをはじめとした細やかな彫刻に今度は目を奪われました。バイヨンを見学して私が純粋に驚いたことは、このような巨大でありながらも繊細な彫刻が余す所なく施された建物を800年以上も昔の人々が作り上げたことです。

 

当時の人々は重機などの機械を使わずに人の手で作り上げたことを考えると、想像を超える人々をまとめ上げるだけの宗教、そして王への信仰心、人間の持ちうる力を感じずにはいられませんでした。

 

 そして今回の見学では、普段では入ることができないような修復現場の足場の中にも入らせていただくことができました。私たちが修復現場を訪れたときは、日本の技術者の方とカンボジアの方が一緒に作業をしていらっしゃいました。日本が上から行う支援ではなく、カンボジアの方々が中心になって一緒に作業を行っていると伺ったことを目の当たりにすることができました。

 

 

sugino.JPG私の中で印象に残ったお話は、盛土に日本古来の長七たたきという土を固めて作られた人造石が使われているということです。日本が持つ最新技術以外でも、日本の自然に近い工法がアンコールの地で活用させていることが少し誇らしく感じられました。

 

 

私は現在大学で建築を学んでいますが、今まで建物を建てることばかりに目が向いていました。過去の人々の思いがつまった建物を解析して、修復するということも建築に携わることのすばらしさの一つだと感じました。

 

更には、修復だけではなく、逆にアンコール王朝の時代の建築の知恵を現代に活かすことができるのかもしれません。自分の中で建築の新しい可能性に気づくことが出来たことも、とても有意義なことでした。そして、下田さんをはじめカンボジアでお世話になりましたみなさん、本当にありがとうございました。今回得た知識や感じたことを胸にとめて、将来に向けて学んでいきたいと思います。

 

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杉野さんは建築を勉強している学生さんだけに、その工法や建築という分野が持つ可能性の広がりなど、より大きな刺激が得られたのかも知れませんね。

 

ただ、修復の現場を実際に訪れて目にする、汗を流して働くカンボジア人の職人たちや日本人スタッフの姿は、遺跡の修復という仕事を、学生の皆さんにより身近な存在としてくれるようです。

 

杉野さん、そして青年交流育成事業でご訪問頂いた皆様、どうもありがとうございました。

 


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