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DNAを次の世代へ~魚の授業3年目第4回~


こんにちは!仲尾です。



"生きものは皆自分の子どもを作ろうとしますが、なぜでしょうか?"

魚の授業で通訳を務めているJSTスタッフ、カンさん。
第4回目の魚の授業2日前、通訳内容を予習中だったようで、彼女から突然こんなクイズを出題されました。


「本能だから......?」としか答えられなかった私です。




佐藤さんのお言葉をお借りすると、生き物が自分の子どもを作ろうとするのは、

"生き物は皆、自分のDNAを未来に残そうとする"からです。






前置きが長くなってしまいましたが、今回のブログは魚の授業第4回目の様子についてお伝えします。
今回は魚の様々な繁殖の仕方、産卵方法などがテーマでした。






魚の授業、いつものようにまず最初は小さな先生と佐藤さん、私、そして通訳のカンさんの打合せから始まります。
最初に佐藤さんからこんなお話が。

「授業をするときは、自分の言葉で楽しく話しましょうね。暗記したことをそのまま話すのはやめましょう。」


実は今年度の魚の授業、小さな先生たちは自分たちが教える内容について、自分の担当箇所でいう台本を暗記することに気を取られすぎてしまっていました。
そのため実際の授業内容を先生たち自身が理解しきれていないということを危惧されていた佐藤さん。
自分の頭で内容を理解していたら、台本が無くても説明できますよね。
その話を聞いた先生たちは、いままでのように沢山メモをとることをやめて、佐藤さんの説明を自分の頭で理解しようとするようになっていました。




最初は、オス(チュモール)とメス(メー)の関係について勉強。
ヒトは男1人と女1人でペアになって子どもを作りますが、魚の配偶システムは違いますね。
一夫一妻、一夫多妻、複婚も!
イラストのように、多様な配偶システムで子どもを作ります。

P2101721.JPG

ほかにもいろいろと予習をした小さな先生たちですが、その内容はのちほどの授業で...。


JSTスタッフカンさんも通訳内容の予習を欠かせません。
授業内容がまとめられたプリントには魚の授業で使われるキーワードに関しての意味が書かれたメモがいっぱい!
縁の下で魚の授業を支えてくれています。

P2101722.JPG


いつものように元気な生徒たちにむかえられて授業がスタート。
今回の授業は前回までとはすこし違いますよ。
授業のはじめに、前回の授業の復習テストを実施しました!

前回時の内容を忘れてしまっている生徒がいるため、魚の授業で学んだことがきちんと生徒に定着しているのかが疑問...という佐藤さんの声もあり、
私たちインターン生で前回の授業の復習テストをつくろう、ということになったのです。


形式は三択クイズ。
たとえば、

Q.魚はどの器官で呼吸をおこなうか
1.心臓 2.肺 3.エラ 
(答え:3.エラ)


というかんじです。




できるかな?!


いつもなんにでも全力投球な生徒たち。もちろんテストだって一生懸命やります!
......と思いきや!?


「隣を見てはいけません!!」


カンさんの注意する声。
どうやらカンニングをしている生徒を見つけた模様。
みんな!満点を取りたい気持ちは分かるけど、自分の実力で解かないと意味がないですよ!

P2101723.JPG
P2101726.JPG
気を取り直して...。
みんなで答え合わせです。


「正解だったひとー?」 「はーい!」



どのくらいできるか心配でしたが、4点満点中、大体の生徒が3点か4点を取れていて安心しました。
その場で復習もしたので、間違えたところも正しく学びなおせたと思います。


P2101727.JPG



さてさてみんながお待ちかね、今回の授業の本題に入ります。
先ほどご紹介したオスとメスの配偶システムの多様性の説明をおこなった先生。

次に、先生がこんな問いを投げかけます。
"魚たちはどんな方法で卵や子どもを産みますか。卵で産むでしょうか、赤ちゃんを産むのでしょうか?"

正解は両方です。魚は種類によって子どもの産み方が異なります。



特に子どもの産み方が面白いのが、トライ・コンプリエンという魚。
オスが、泡の家をつくり、その中で卵や子どもを守り育てます。
この魚、アンコールクラウ村にも生息していて、とてもきれいな魚だそう。

20161223_170214_0107.jpg
上の写真と同じイラストを模造紙に描いて、先生も"自分の言葉"で説明できています。
今日はメモ書きを持たずとも、生き生きと先生役がつとまっていました。
佐藤さんも私も一安心です。


P2101735.JPG





次に変わった子どもの産み方をする2種類のサメについて紹介。
写真のイラスト、右上のイラストはこの種類のサメの卵です。
直径が15cmほどと大きいため、生まれるまでに約一年もかかります。
このサメの卵、クワガタのような変わった形をしていますよね。  
これは、潮に流されてしまわないため、どこかに引っかかりやすいようにこうなっているそうです。  
 

20161223_170214_0106.jpg下のイラストのサメの赤ちゃんも興味深いです。
このサメは3mほどある大きなサメ、その赤ちゃんはおなかの中で1mくらいまで育つのですが、
お母さんがおなかの中に赤ちゃんが食べるための小さくつぶつぶした卵を作るのです。








P2101739.JPG





アフリカの湖には、下の写真右上のイラストのように、巻貝の中に卵を産み、そこを子どもの家にしてしまう魚や、二枚貝に卵を産み付ける魚がいます。

これ以上は授業では触れていませんが、佐藤さんに教えていただいてびっくりしたのがタナゴの産卵方法。
アサリなどの二枚貝、その貝のエラの中に卵を産むのだそう。
二枚貝には2本、角や触覚のようなものが生えていますよね。
あれは入水管と出水管といって、前者が酸素をエラに取り込み、後者が二酸化炭素をエラから出しています。
タナゴは、二枚貝が開いた一瞬の隙を狙って、細い管を入水管の中に挿し、その管から卵を貝のえらの中に産み付けます(下の写真の右上のイラストのように)。
その卵は貝のエラの中に守られて安全かつ、いつも新鮮な酸素を吸えるというわけです。

20161223_170214_0105.jpg
最後に、カンボジアのカンポット州やコッコン州などの海にも生息するタツノオトシゴについて。
タツノオトシゴはオスが子育てをします。
オスはおなかにポケットを持っていて、そのポケットに卵をいれ、そこから赤ちゃんが生まれて泳げるようになるまで育てるのです。
カンガルーのようで、斬新です。

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この女の子はタツノオトシゴの子育てが面白かったようで、わくわくとした表情を浮かべながら小さな先生のお話に耳を傾けていました。

P2101752.JPG




今回の授業で、魚たちは未来に自分たちのDNAを残すこと、それを目的に生きていることが分かりました。
DNAを残す方法もDNAに刻み込まれているのですから、生まれた瞬間から次の世代のことを考えて生きているのですね。

一方私たち人間の生きる目的が、"DNAを次の世代に引き継ぐこと" といわれても本能的にはそうだと思いますが、しっくりこないですよね。
他の生き物たちとは違い、私たち人間は生きる目的を探して悩んだり、見失ったり...。何を目的に生きているかも人それぞれ違います。
そんな人間に比べると、授業で学んだ魚をはじめ、他の生き物たちの生きる目的ってシンプルでまっすぐ、そして潔いものだなーとなんだかしみじみしてしまった私でした。


次回の授業では、実際に魚を獲る実習に出かけます!
授業で習った魚たちには出会えるでしょうか、楽しみです。


仲尾

このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。







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