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「私たち結婚します!だから式に出てもらえる?」 

 

と突然電話を受けたのは、2週間前。よく知っているNGOの、一回だけ会ったことのあるカンボジア人スタッフからのものでした。

せっかくの機会だから、ちょうどシェムリアップに滞在している後輩と先輩も誘って、女3人で結婚式に出よう!ということに。

 

というわけで、今日はカンボジアの結婚式模様についてお届けします。

 

カンボジアの結婚式に「ジミ婚」の3文字はありません。できるだけ派手に、盛大に、たくさんの人に参加してもらう、というのがカンボジアの流儀。たくさんの人が来ればそれだけ、祝福されているという証になるのです。ですから、こと結婚式に関しては、友達の友達は友達、知り合いの知り合いは知り合いというようにどんどんと「お誘いの輪」が広がっていきます。私たちの場合も新郎を知っているのは私だけ、他の二人は会ったこともない、名前も知らない人の結婚式に出るという状況です。そしてそれでもOKなのです。

 

結婚式といっても、私たちが参加しているのは、日本でいえば披露宴にあたるもの。結婚式自体は2日間ほどにわたり、数々の儀式が執り行われます。。そしてそのあとに、「ニャム カー」とか「シーカー」呼ばれる披露宴が行われます。クメール語でニャムとシーはどちらも「食べる」という意味。それが転じて「パーティーに行く」というような意味ももつようになったのですが、その名の通り、カンボジアのパーティはひたすら食べて飲みます。それは女性たちがぴったりドレスで着飾った披露宴も例外ではありません。

 

カンボジア式ハデ婚においては、新郎新婦のみならず、それに参加する女性たちも、ここぞとばかりにあでやかさを競います。「結婚式に2度同じ衣装を着ていくなんて恥ずかしい!」これはすでに都市の女性たちの常識と化しており、衣装もメイクもばっちりにして、勝負の舞台へと赴くのです。結婚式の集中する乾季には、衣装代の出費に嘆く女性たちのため息が。それでも新しい式に誘われれば、気合いを入れざるを得ないのが女ごころというものなのです。

 

そして今回、私たち女3人組も、クメール女性の心意気に染まるべく、徹底的にやってみることに!一人だったらちょっと恥ずかしくってできないけれど、3人いれば怖いものなし。ということで・・・

 

まずはメイクから。夕方から開催される式に合わせ、午後3時から事務所を抜けだし美容院入り。私の友人の美容師さんに「ヘアアレンジとメイクを、クメール風で!」とお願いし、準備スタート。美容師の彼女も二ヤリと笑ってやる気満々です。

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メイクも髪型も「ど」派手が基本。一人1時間、計3時間のたゆまぬ努力の末、こんな芸術作品が誕生しました。顔の原型が分からないくらい重ねられたそのメイクはすでにアートの領域です。メイクが終わった私を見て、周囲の見物人たちから(市場の中にある美容院なので、市場の人々が入れ替わり立ち替わりおかしな外人を見に来ていました。)「カンボジア人に見えるよ。しゃべらなければわからないな。」とお墨付きを。ややオカマさん風に見えるという事実は見てみないふりをしました。

 

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メイクを終え、衣装に着替えたら、さあ本番。おめでたい式に参列です。クメール風だけどちょっと違う、怪しい女の3人組の侵入に会場の視線が一気に集中。こんなに人に見つめられる経験はこれから先、ないだろうなと思いつつ、案内されるがままにテーブルへ。

 

テーブルごとに人数が揃うとお料理が運ばれてきます。たくさんの人々が入れ替わり立ち替わりご飯を食べて乾杯をしては帰っていく様子は、日本の結婚式にはぜったいにない光景。中には関係があるとは思えないような外国人(私たちもだけど)まで混じっているから不思議です。

 

結婚にまつわる各種儀式は通常お嫁さんの家で行われ、昔は披露宴も自宅で、かつお料理はそれぞれの参加者が持ち寄って行っていたそうです。でも、現在は特別な儀式以外は街のレストランで行われることも多くなりました。そして、これでもか!というほど回を重ねるお色直しの中には、クメールの伝統的な衣裳に混じって、ウェディングドレスも。そしてクメールの伝統的な料理の後には、ウェディングケーキが登場し、ケーキカットが行われました。

でも、これはここ10年くらいの間に主に新婦さんのリクエストによって出てきたシーンとのこと。若くても保守的な男性陣にはいまだ抵抗感があるようです。

それでも伝統衣装に身を包み、かわいらしい奥さんをもらって笑みが止まらないといった様子の友人をみて、新たな始まりに伴う高揚した気持ちを分けてもらいました。

二人の末永い幸せを祈りつつ、ハート型のボックスにご祝儀を入れ、会場を後にしました。

 

その後は、事業メンバーが黙々と作業をする事務所に乱入し、疲れ果てた皆さんに驚きと爆笑を提供、さらに写真館に行って、この日の記憶を具現化すべく写真に収めてもらい、知り合いの知り合いの結婚式にかこつけて、クメールの非日常を思いっきり満喫する一日となりました。

090227-5.jpg 末永く、お幸せに・・・☆

 

 

 

 

 

 

 昨日は、ソティ氏の「遺跡修復講座」に引き続き、吉川舞による「環境保全ワークショップ」が行われました。

 

JSTでは、(財)国際開発センター(IDCJ)の支援を受けて、2006年よりアンコール・クラウ村で住民と共に植林活動を行っています。

そして、植林を行うだけでなく、住民を対象に環境問題などについてのワークショップも今までに行ってきました。今回は3回目のワークショップとなります。

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今までの2回のワークショップは村の大人たちが対象でしたが、今回は村の子供のみがクラウ村コミュニティーセンターに集まりました。

そして今回は、大学時代に数々の環境保全ワークショップに参加した経験のある吉川の立案で、体験型のワークショップを試みました。

通訳はJST代表のチア・ノル。吉川と二人で、掛け合い漫才のような楽しいワークショップとなりました。 

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「皆さんが知っている身の回りの木々について教えてくださいね!」と子供たちに呼びかける吉川。

まずは、子供たちが知っている木の名前を挙げてもらいました。

マンゴー、椰子、パパイヤ、ジャックフルーツ・・・・。皆の大好物の果物の木をはじめとして、次から次へと名前があがります。

コキ、ジアン、ベイン・・・建築用材として使われる木の名前も。

 

「それでは、アンコール・クラウ村コミュニティーセンターの敷地内に生えている木の葉をとってきてくださ~い!」。即座に外へ駆けだす子供たち数名。

・・・・・あっという間に20種類ほどの葉っぱが集まりました。 

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これは何という名前?

あの葉っぱの実は食べられるの?

葉自体が利用できるものもあるって?なんと、トイレットペーパー代わりにおしりを拭く葉っぱも登場!

(クラウ村の家にはほとんどトイレはなく、皆、屋外で用を足します。たいてい、マンゴーの葉か、カントゥリィアンカエという葉をトイレットペーパー代わりに使っています。)

チア・ノルがその葉っぱの特徴(葉の表面に細い糸状の毛が生えている)を説明します。

驚く吉川。子どもたちからは笑いが・・・・。

 

村の子供たちは、さすが、自分たちの身の回りの植物や樹木のことをよく知っています。

 

そして、吉川から子供たちに質問が続きます。

「さて、これらの木がなくなったらどうなるでしょう・・・?」

想像を巡らす村の子どもたち。

・・・・ワークショップは続きます。

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そして、最後に、

「さあ皆さん!

村のジャングルの中にはたくさんの木々が生えていますが、その中で、役に立たない木は一本ないということがわかりましたか?

ぜひ、身の回りの木々をもう一度思い出して、村にある森や木を大切にしてくださいね!」

・・・・・こうして、第3回目の「環境保全ワークショップ」が締めくくられました。

 

※このワークショップは、IDCJ(国際開発センター)との共同活動であり、「イオン環境財団 2007年度 第17回環境活動助成」の助成金を得て行いました。

 

(よ)

アンコール・クラウ村コミュニティーセンターで、念願の第一回遺跡修復講座を開催しました。

対象は、クラウ村の子供たち。自分たちの身近にある文化遺産(アンコール遺跡)について、まずは村の子供たちに知ってもらおうというのが主たる目的です。

しかしそれだけでなく、将来、その子供たちの中から、遺跡修復事業を担う人材が育ってくれれば、という私たちJSTコアメンバーの期待も存分に込められています。

その遺跡修復講座の記念すべき第一回目。

私たちが村へ到着すると、すでに約180人の村の子供たちが集まっていました。これから何がはじまるのだろう・・・。子どもたちの熱い期待が感じられます。 

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今回の講師は、JSTコアメンバーでもあり、遺跡修復チームカンボジア人専門家のチーフを務めるソティ氏。

まずはソティ氏から子供たちにさまざまな質問。

お父さんやお兄さんなど家族がアンコール遺跡修復にかかわっている人は手を挙げて!(→約半数くらい)

その中で、フランス隊で働いている人は?中国隊は?ドイツ隊は?日本隊は?

アプサラ(カンボジア政府によるアンコール地域保存整備管理機構)は?などなど。

 

そして、子供たちに投げかけた数々の質問から、アンコール遺跡のほんの目と鼻の先に住みながら、自分たちの祖先が残してくれた文化遺産の価値を知らないだけでなく、遺跡にほとんど行ったこともないような子供も多数いることがわかりました。

 

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そこで、アンコール遺跡と村の生活のつながりを説明するソティ氏。

遺跡があることによって得られるもの、そしてそれをそのまま放置していたらどうなるか・・・・。

その上で、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)をはじめ、各国遺跡修復チームは、カンボジアの次の世代に、我々の文化遺産を残すためのとても重要な仕事をしていると説明。

 

さらに、遺跡修復の手順について、用意してきた写真を見せながら、子供たちにわかりやすく説明していきます。

1)   現状図面作成

2)   危険箇所、崩壊箇所などの検討

3)   部材解体と精査

4)   部材修理

5)   仮組

6)   再構築 

 

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真剣に写真を見つめ、ソティ氏の話に熱心に耳を傾ける子供たち。

写真の中には、修復作業をする自分のお父さんやお兄さんの姿も映っていたりして、ときどき子供たちの中から歓声が沸き起こります。

 

最後に子供たちに、将来の夢を聞いてみました。

遺跡修復に関わりたい人は半数以上、次いで学校の先生や観光ガイドさん。

そして、もっともっとアンコール遺跡について知りたいという子どもたち。

次回は、皆で遺跡修復現場を見学したいですね!!

(よ)

 

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マクロビオティックをベースにした料理教室、素材にこだわった焼き菓子の販売などを手がけているナチュラルフード・コーディネーター、宍倉淳子さんのお菓子の本「ACOTの焼き菓子」が手元に届きました。 090219.jpg淳子さんは、野菜と魚中心のヘルシーなカンボジア料理に関心をもたれ、おととし11月にカンボジアにいらしたときに、Café Moi Moiのスタッフからカンボジア料理を習ったり、アンコール・クラウ村でハーブを中心とした自家野菜をつくっているお宅を一緒に訪ねて回ったりしたことがきっかけで交流がはじまりました。

 

宍倉淳子さんのホームページ→http://enlacocinajp.com/

 

カンボジア料理についてメールでやり取りする他、私が日本に帰るたびに、千駄木にある「よかしこや今風庵」で淳子さんの手料理を堪能させていただいています。

「よかしこや今風庵」のお料理は、旬の野菜や穀類のおいしさをシンプルに、そして最大限に引き出したものばかりで、私はそのおいしさに完全にはまってしまったひとりです。何よりも、一品一品に作り手の温かみが伝わってくるところが魅力的なのです!

(みなさん、ぜひお試しあれ!)

 

「よかしこや今風庵」のURLhttp://www.comfoo.co.jp/

 

そして、この淳子さんのお菓子の本をシェムリアップのCafé Moi Moiまで届けてくださったのが、昨年10月にやはり千駄木の近くで、カンボジアスタイルのカフェ「café 2Lotus」をオープンされたばかりのmanaさん。今日から5日間、シェムリアップに滞在され、カンボジア料理レシピやカンボジア雑貨を仕入れるそうです。Café Moi Moiにも通ってくださる予定。

 

café 2Lotus」のURLhttp://2lotus.com/

 

次回日本に帰国したら、淳子さんの「よかしこや今風庵」だけでなく、manaさんの「café 2Lotus」にもぜひ寄りたいと思っています。

 

カンボジアにいながら、こんなに素敵な方々との出会いがあることに感謝!の毎日です。

 

(よ)

 

「クロマートラベルガイドブック」Vol.10に、「アンコール・クラウ村とともに② 村人自らで造りあげた 村の橋」が掲載されました!

これは1997年、クラウ村の村人とつくった最初の橋についてのコラムです。

橋の全長は27m。今から思うとよくつくったなあ・・の一言ですが、建設途中、当時のカンボジア二大政党の武力衝突で非常事態宣言が下され、橋づくりに協力してくれた日本人がすべて日本に帰国することになるというハプニングも。銃声が鳴り響く中で橋の建設も一時中断されました。

なんとも思い出深い橋です。

 

全文はこちら→http://krorma.com/column/noru10.html/

 

(の)

「あやもよう」200812月号にチアの講演内容が掲載されました!

 

昨年9月、JST代表のチア・ノルが日本に帰国した際、神奈川県小田原にあるNPO法人「子供と生活文化協会(CLCA)」で活動をしている子供たちを対象に、「祖国カンボジア」というテーマで話をさせていただいたときの内容が、機関月刊誌「あやもよう」200812月号に掲載されました。

 

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「子供と生活文化協会(CLCA)」のURLhttp://www.clca.or.jp/

「あやもよう」のURLhttp://www.clca.or.jp/

 

11月下旬の発行直後、出来上がった「あやもよう」をカンボジアに送ってもらったのですが、こちらに届いたのが昨日のこと。AIR MAILで送ってくださったのに、私たちの手元に届くのになんと2か月半もかかってしまったため、お知らせが遅くなりました。

よく見ると封筒には、20081213日のシェムリアップの消印が。つまり、2カ月もの間、シェムリアップ郵便局に"保管"されていたことになりますが、カンボジアの郵便事情、どうなっているのでしょうねぇ・・・・。

 

それはともかく・・・・・、

「子供と生活文化協会(CLCA)」では、不登校などで学校に通えなくなってしまった日本の子供たちが共同で生活をする「はじめ塾」という寄宿生活塾を運営しています。

 

「はじめ塾」のURLhttp://hajimejyuku.com/guide/index.html#03/

 

来月中旬には、この「はじめ塾」の小学校5年生~高校1年生までの子供たち20名が、JSTが企画するスタディーツアーに参加してくださることになっています。

アンコール・クラウ村の子供たちとの交流、遺跡修復現場体験、アプサラダンス講習会、染色体験など、さまざまな企画を通して、リアルタイムのカンボジアをぜひ肌で感じてもらいたいと、JST現地スタッフも楽しみに準備を進めているところです。

スタディーツアーの内容は、「ツアーブログ」でもご紹介しますので、お楽しみに!
2月7日,アンコールクラウ村コミュニティセンター内図書館,集会場,橋,東屋の竣工式の日。
「会社創立60周年記念事業」としてこれらの建物をご寄付下さった富山県の株式会社三田商会様がいらっしゃるということで,総勢500人を超える村民が朝からコミュニティセンターに集まりました。
お祭りのように賑やかな式典となりました。

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カンボジアの竣工式は新築建築物の今後の安全祈願から始まります。
上棟式でももちろん安全祈願は行いますが,竣工式でも必ず行うのがカンボジア式。
上棟式ではきれいに盛られたブタの顔が見られましたが,今回は山盛りのくだものだけでブタはナシ。
ほっと胸をなで下ろした人は私だけでしょうか?

炎天下の中5人ものお坊さんに来て頂いたので,ここぞとばかりにこの建物だけでなく村全体の安全と幸せもお祈りさせてもらいました。


読経を終えると続いてJSTアドバイザー中川よりこれらの建築について少々説明があり,
そして主賓ご挨拶。(株)三田商代表取締役社長黒田様よりご挨拶いただきました。
それらを受けて,クラウ村を代表,村の世話役であり,また日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)棟梁サオサムさんより御礼の挨拶,そしてクラウ村一同からの御礼の記念プレートを
副村長ソムナンさんが黒田社長に手渡しました。

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この記念プレートはアンコール遺跡群に多く使われた石材と同等の砂岩に,クラウ村に住む職人が繊細な模様を彫って作り上げた,世界にひとつのプレートです。
この企画を日本で聞いていた私の想像を遙かに超える重さのプレートでしたが...,きれいに仕上がっていて,何より村人の想いとその行動を嬉しく思いました。


最後は竣工式恒例の(?)テープカットです。
ただスタイルはとってもカンボジア式。
ふたりのキレイなお姉さんが出てきて,テープの両サイドを持っています。
そしてキレイにリボンを巻かれたキッチンばさみのようなものでカットです。
サオサムさん,ソムナンさん,中川,そして黒田社長の4名がハサミを入れました。

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こうして盛大に,そして滞りなく竣工式は終了。

ところで,今回の式典でとても多く耳にしたのが『情操教育』という単語。
日本では小学校,もしかすると幼稚園から美術(お絵かきや粘土など)や音楽の時間がありますが,
カンボジアの学校では美術や音楽といった芸術系の授業が行われていないのが現状です。
そのためか,クラウ村の子供たちは,例えば「描く」という行為ひとつとってみても,私たちが自然に
行っているように思える「まず構図を考える」「色を重ねる」といったことはやりません。


このような現状を踏まえ,今回は内部の天井高に大きな差がある図書館や,橋の上の東屋,
複数のサイズがあるベンチやテーブルなどなど,敢えてアンコールクラウ村村民には
馴染みのないデザインを多く用いてみました。
それは子供たちをはじめとする村民に,色々発想を膨らませ,自由な使い方を自らの力で考え
生み出してほしいという想いからです。
そして(株)三田商会様からはこれらの建物に加えて足踏みオルガンをご寄付いただける
こととなりました。電気を使わずに使える足踏み式は本当に嬉しいです。


改めまして,建築物だけでなく,このような「情操教育」に触れるチャンスを子供たちに与えて下さった(株)三田商会様には心から感謝致します。


ちなみに...,その後は以前よりご支援いただいているアンコールやまなみファンドの皆さんも交えての「交歓会」が催されました。こちらも大大盛況で,子供たちのキラキラした笑顔がいっぱいでした。この「交歓会」の詳細は次回。





カンボジアのほぼ中央に横たわる、東南アジア最大の湖・トンレサップ。

雨期と乾期で3倍にも大きさを変え、湖が膨張する勢いで大河が逆流する現象まで起きる大湖。

一番小さいときで琵琶湖の3倍。大きいときには琵琶湖の10倍といわれるその湖は、

古代から現代まで、様々な生き物の生を支えてきました。

 その中にはもちろん、クメール王朝を築いた1000年前の人々も、

今カンボジアの国で生きる私たちも含まれています。

 

我が家に来て1ヶ月が経とうとするクメール犬・ラティの生まれた村・コンポンプロックは、

このトンレサップ湖上にあります。

9世紀に建立されたアンコール地域で最も古いロリュオス遺跡群の南を走るロリュオス川を辿り、

小舟に乗ってトンレサップ湖上に出ると、そこには浸水林が広がっています。

その浸水林を縫うように舟を走らせて、最初に着く村がコンポンプロック。

 

ジャングルクルーズと呼ぶにふさわしい船旅の終着点には、

「水の上に建つ村」が待ちかまえているのです。

水の中から天に向かって伸びる無数の細い竹竿。

あるものには魚を捕るための網がかかり、あるものの上には家が建っている。

船上家屋のように水の上に浮かんでいるのではなく、

水の上に家が「建っている」のです。

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10m近い超高床を持つ、この地域の家々は、一番上が居住ゾーン。

その居住ゾーンの下には中二階が設けられており、船着き場や漁具置き場、台所などの機能を持っ

ています。

主な交通手段は舟。小型のモーター付きボートやさらに小さな手こぎの舟が行き交います。

10歳に満たないような小さな子供たちも実に器用に舟を操り、買い出しや登下校をしています。

陸上でいうところの、自転車やバイクの感覚。操れて当たり前。

 

村の中で唯一水に浸からないのは、お寺とそこから村の中央を走る一本の道だけ。

乾期の間は道として利用されているものの、水位が上がれば道はその先を失い、

まさに陸の孤島になります。水揚げした小えびを日干しにしたり、舟の修繕をしたりと

すでに道ではなく、広場と化しています。

20090209-2.jpgのサムネール画像

道の両側に一列に並んで建つ家々は、道からさらに5mほど梯子を登り、ようやく母屋に至ります。

家の中から裏を見れば、「湖水地方」という言葉がぴったりの、楽園のような風景。

その中で、子供たちが水浴びをしていたり、手こぎの舟が穏やかに横切ったり。

 

村から湖に向かってさらに舟を進めると、両手には広大な浸水林が広がります。

そこはカンボジアというより、アマゾンの熱帯林やマングローブ林のよう。

林の中に船を舫ってしばらく浸水林と呼吸を合わせる。

たった数分のその瞬間にも、カンボジアの大地のリズムと豊かさが体にしみこんでくるようです。

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水が上がったら上がったように、水が引いたら引いたように暮らすコンポンプロックの生活は、

豊かな自然の掌の上で暮らす、という人間の本来の姿を思い出させてくれます。

 そして同時に、周囲の自然をよく観察し、その環境に合わせて自分たちの文化を創り出していく

人間の適応能力と創造性にはほとほと関心します。

 

 

小舟が行きかうコンポンプロックの風景の向こうには、

人間のしなやかさと置かれた環境と付き合っていくためにたゆまぬ努力がありました。

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コンポンプロックへの行き方は、「JSTオリジナルツアー」ブログにて紹介します!

 

今週2月13日(金)、JSTアンコール・クラウ村コミュニティーセンターにて、日本社会事業大学主催のワークショップ「カンボジアの子供支援のためのコミュニティーソーシャルワークショップ現実、可能性と夢」が開催されます。

日本からは福祉関係の先生方や大学生が、そしてアンコール・クラウ村の先生方なども参加される予定です。

このワークショップに参加ご希望の方、JSTまでご連絡ください!

(メールアドレス;info@jst-cambodia.net

 

主催:      日本社会事業大学

場所:      シェム・リアップ、アンコール・クラウ村コミュニティーセンター

日時:      2009年2月13日(金) 10:00-15:30          

 

スケジュール:

開会

10:00-10:05           司会:藤本ヘレン 日本社会事業大学准教授

挨拶

10:05-10:20           コン・チャン カンボジア王国社会福祉省事業局次長

団体発表

10:20-10:40           アンコール遺跡の保全と周辺地域の持続的発展のための人材養成支援機構(JST)

吉川舞 広報担当

10:40-11:00           幼い難民を考える会

関口晴美 カンボジア事務所所長

11:00-11:20           国際子ども権利センター(C-Rights)

宇野桜 カンボジア駐在員

11:20-11:40           国境なき子どもたち(KnK

コン・ソフィア KnKネットワークカンボジア代表

11:40-12:00           スナーダイクマエ

メアス博子 管理運営責任者、チウ・ヒーア 指導員

昼食

12:00-13:30           Moi Moi農園水上小屋

円卓会議

13:30-15:30           司会:林民夫 元カンボジア王国社会福祉省大臣顧問

 

懇親会

18:00-19:30           市内レストラン

2008年9月、JSTの活動地であるアンコールクラウ村に、

日本の企業とその他の支援者の方々からの寄付を受けて、

新しく村の人のための集会所や図書館が建設されました。

 

2005年から子供たちのための英語塾として活躍しているやまなみフリースクールと共に、

「アンコールクラウ村コミュニティセンター」として新たにスタートを切りました。

  (詳しくはHP内「JSTができてから」>>アンコールクラウ村コミュニティセンターに!)

 

そのコミュニティセンター建設に当たって、創業60周年の記念事業として

集会所などの建物を寄贈して下さった(株)三田商会様に関する記事が、

北日本新聞に掲載されました。

090111北日本新聞_掲載.pdf 

JSTのアドバイザーの一人である、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)団長の

中川 武と三田商会・黒田社長との親交から生まれた今回の建設事業。

こうしたご縁がこれからも続いていくことを願っています。

そして、現場で仕事をする私たちはクラウ村コミュニティセンターを舞台に、

より面白く、新しい取り組みを実現していきます!

 

 

みなさん,こんにちは。コン・チャンチェイこと,吉川 舞です。

かねてよりご愛読頂いているコン・チャンチェイ通信は、

今後こちらのブログにて皆さまにお届けしたいと考えております。

 

それでは、2009年最初のコン・チャンチェイ通信です。

今年もはや2月。年の初めには寒かったカンボジアも,すでに太陽がぎらぎら。

さて私事ですが,2009年明けて8日目,24回目の誕生日を迎えました。
そんな記念すべき日に,私は早朝から先輩スタッフと共に修復用の「ラテライト」という石材の採石場へと向かいました。
当初5時間を予定していた石材チェックの旅は,
悪路と迷子という二重苦に見舞われて10時間を超える特大旅行となりました。

無事に帰って来られて本当によかった。

 

24歳の幕開けに相応しい?大冒険の夜に,

仲間達がサプライズ誕生日パーティを開いてくれました。
何も知らされぬまま,向かったレストランで待っていたのは,
水上に浮かんだテーブルでのディナーと,1匹の子犬でした。

 

かくして我が家に突如として現れた100%クメール犬(つまり純・雑種)の

「ラテライト」君。
その日の大冒険と,赤茶色のボディにちなんだ,アメリカ人スタッフのロバートさんによる命名。でも,長いので普段は「ラティ」と呼ばれています。


カンボジアに来てからの私は,人生で初めての一人暮らし。
日本から同世代の先輩たちがよく訪れ,宿舎なので他のメンバーも住んでいる。
それでも,やっぱり一人で過ごす時間をもてあますこともありました。

そんな日々の中で,村でも町中でもふらふらしている犬を見るたびに,
「犬が一匹いればなぁ~。いいなぁ~。」とつぶやいていました。

そして,そのつぶやきを拾った先輩たちが,私に同居犬というプレゼントをくれたのです。


うちに来たときには,生後2ヶ月を迎えたばかりで,まだほよほよの子犬でした。
100%ピュアクメール犬にしては可愛い顔をしていて,
8匹兄弟の中では一番美形だったそうです。

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                  遊び疲れてぐったりの図

現在は,見る間にむくむくと大きくなり,体重は5㎏超え,

広大な事務所の庭を縦横無尽に走り回っています。
拳大のカエルが飛び出したり,カブトムシや鳥の巣・ココナッツの実が落ちてきたりするこの庭は,彼にとってはまさに巨大なおもちゃ箱。
さらに,大好きな庭師さんや警備員のおじさんが常にいる環境で,
一日中ぐったりするまで遊び回っています。

事務所では英語とクメール語と日本語が飛び交います。
いつかラティはバイウリンガルならぬ,バイリンガルへ成長する。
そして,ゆくゆくは修復現場の看板犬に...という密かな野望も。


そんなラティの最近の趣味は,サンダルを集めること。
家中の靴という靴を集めて,その上に寝そべってさらに靴を噛むというのが
至福のときのようです。

そしてもう一つ,
屋根の上とかベランダとか,高いところから下の世界を見回すこと。
最初の頃は危ない!と,ラティが高所へ上るたびに捕まえていましたが,
放っておいても落ちないということがわかった最近は自由にさせています。

ベランダの突端に座って世界を見回す凛々しい横顔は,その時だけ大人びて見えます。

どうして高いところが好きなのか?


その謎の答えはきっと,彼の出身地にあります。
彼が生まれたのは,コンポンプロックと呼ばれる村。
東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖上にある,水上村落です。

トンレサップ湖の水位の変化に合わせて
10mを超える超高床の家屋を造り,雨期には水の上で暮らす村。

 

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                                            水に浮かぶ超高床家屋 

ラティがベランダから周りを見る時,彼には故郷の風景が見えているのでは...?


次回は,カンボジアの水上村落のひとつ、コンポンプロックについてご紹介します。