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三井物産環境基金による活動07_2016年10月~の最近のブログ記事

本日は、(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが三井物産環境基金を受託し、アンコール地域の水環境を若い世代で守っていくために行ってきたプロジェクトの続報をお伝えします!

 

水環境授業と題して、シェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんに授業を行っていただいたり、その授業で勉強した生徒たちが今度は先生となって後輩たちに環境や魚のことを教えたり、時にはアンコールクラウ村の水辺調査実習やトンレサップ湖での実習を経験してきたバイヨン中学校の生徒たち。

 

プロジェクトは9月で一区切りがつきますが、アンコール地域の水環境を守っていくためには、バイヨン中学校の生徒で代々学んだ知識を受け継いでいくことはもちろん、バイヨン中学校以外のアンコール地域の人々にも学んだことを広めていかなければなりません!

 

ということで、バイヨン中学校の生徒たちは地域の小学校や教員養成校などで水環境について学んだ事柄を発表することになりました。

 

今回のブログでは、その発表に向けて準備をする生徒たちの様子をレポートします。

 

教室に集まった生徒たちにまずは、JSTスタッフのタウリーさんから授業で生徒にやってほしいことについて説明がなされ...

 

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さっそく作業開始!

 

生徒たちはグループに分かれて作業をしました。

具体的には以下の3つの内容について、まとめを作成してもらいました。

 

①トンレサップ湖実習での生徒たちの気づきや感想

②水辺の今と昔について、家の人にヒアリングをした際のアンケート結果

③これまで学んできた環境問題に対し、どのようなことを行えばよいか。また、環境を良くするために実際にバイヨン中学校で行ってきた取り組みは何か。

 

これらの内容について生徒がどのようなことを書いたのか簡単にご紹介します。

①トンレサップ湖を見学した生徒たちの感想は...

湖の周りにはたくさんゴミがあり、水も汚く、周囲の人は環境に気を配っている様子がなく、環境が悪いと感じたという意見が多くありました。

 

トンレサップ湖で学んだことだけではなく、次にやりたいことも聞いてみると、さらに清掃活動をすることや周辺の人々や水上学校を訪問し、なぜ環境を守らなければいけないのか、どうやって環境を良くしていけばよいのかという環境教育をしたいという生徒も多くいました。これから生徒たちがやる発表はまさに環境教育ですよね。少しずつ範囲が広まって、いつかはトンレサップ湖周辺でも発表の場ができたらよいなと思います。

 

次は②のアンケート結果について。

魚が少なくなったのはなぜだと思うかという質問に対して、生徒の親たちの答えは...

―ルールを守らず、禁止されている漁具(電気ショックで魚を獲る漁具、小さな魚も獲れてしまう網目の細かい網の使用など)を使っている人がいるから。(30人)

―浸水林や水辺の森の木を切ったから。(1人)

―川に汚い水を流し込んだから。(6人)

―産卵期に魚を獲るから。(7人)

 

もう1問。川に魚を増やすためにどうすればいいですかという問いに対しては...

―川をきれいに守る。(4人)

―禁止されている漁具を使わない。(3人)

―川にゴミを捨てない。(10人)

―木を植える。(3人)

―産卵期に魚を獲らない。(19人)

―川に化学薬品を流さない。(2人)

 

魚を獲る際のルールがあるのに、それを守らない人がいるというのは、水環境よりも商売や自分たちが食べることを優先しているからでしょうか...

 

最後に③これまで学んできた環境問題に対し、どのようなことを行えばよいか。また、環境を良くするために実際にバイヨン中学校で行ってきた取り組みは何か。


このテーマを担当した生徒たちは他のテーマの生徒たちとは違い小さい紙にそれぞれの意見を書いていきます。


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この後、どの生徒も紙が文字でいっぱいになるまで書いていました。

 

ここではある1人の生徒が書いた内容を紹介します。

 

環境をよくするためには...

・ゴミをちゃんと捨てること

・森を切ったり、森の動物野生を殺したりしない

・たくさん木を植える

・あらゆる環境活動に参加する

・漁業の決まり(漁業の法律:産卵期を避ける、小さいときに獲らないなど)を守る

 

バイヨン中学校で行ってきた取り組みとしては...

・学校の入り口のあたりでゴミ拾い

・学校の敷地内に緑を増やす(お花や木を植える)

・庭のお花に水をやる

・教室内やトイレなど校内を毎日きれいに掃除する

・コントライ(人がこの草の近くを通ると服についてかゆくなってしまう)という草をとる

 

 

生徒たちは、グループごと協力して作業を進めていました。


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あるグループは文字をカラフルにしてまとめていたり...

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文字だけでなくトンレサップ湖や水上住宅などの絵を描いたり...

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グラフを書いているグループもありました。

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今回制作した資料を使って生徒たちが発表するのは来月ですが、今から生徒たちの発表が楽しみです!

トンレサップ湖に行き、

村で使用された水と湖との関係を

実際に学ぶことができた生徒たち。


次は勉強した環境の大切さ、水の大切さ、

そこに住む生き物の大切さについて

多くの人に知ってもらうために

生徒たちが先生となり魚の授業を行います!


今回はアンコールクラウ小学校とコックベイン小学校の2校で

授業を行いました!


5つのグループに分かれ、

グループごとに発表の練習を重ねていた生徒たち。

果たして練習の成果は発揮できたのでしょうか....?


まずは小学校へ各々の自転車やバイクに乗って向かいます。

生徒たちがぞろぞろと行く姿...面白いですね。

201777のサムネール画像

校目のアンコールクラウ小学校に到着!

到着すると、そこの小学生が物珍しそうな眼つきをしながらも

笑顔で迎えてくれました♪


201777のサムネール画像


さっそく授業を行うクラスに行き、

バイヨン中学校で「魚の授業」を行ってくださっている

佐藤さんから今回の授業はなぜ行うのか?という説明をしていただき、

いよいよ生徒たちによる授業開始!


授業では、
魚と人間の特徴の違いを紹介します。
↓こちらは、小学生ひとりに前へ出てきてもらい
人間の視界がどこまであるのか?
ということを知ってもらい
その反対に魚の視界の広さについて
理解してもらっているときの様子です。


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中学生が魚の特徴についての質問を投げかけると、

積極的に挙手をし質問に答えてくれる子も沢山いました!

授業終わりには、反省会も行いました。

一校目のアンコールクラウ小学校での発表は、

生徒たちも緊張してしまい、練習ではできていたのに、

本番になるとうまく話すことができなかったグループがほとんどでした...


2017775のサムネール画像


つづいてニ校目のコックベイン小学校へ


反省をしたためか、

つ目のグループが発表をしている間も

他のグループは後ろで列をつくったまま

真剣な顔で発表を聴いていました。


2017777のサムネール画像

小学生も真剣な眼差しで

一生懸命発表する中学生の話に

耳を傾けていました♪


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この小学校でも、積極的に挙手をしてくれる小学生が多く、

中学生の質問に対する答えが間違っていたとしても

正しい答えが出るまで、挙手をしつづけていました。

2017779のサムネール画像


校目の発表は、

校目の反省点が活かされたようで、

校目よりもうまく発表をすることができた

グループが多く見られました!


 

そして最後には、魚の授業で使用する

教科書を学校に贈呈しました!


この教科書を使い、中学生が行ってくれた授業の内容を復習し

魚と人の違いや、同じ特徴を学ぶことで、

魚について身近に感じてもらい、

その魚の生息環境についても

人間が住む場所のように考えていかなければいけないということを

子どもたちが実感できるといいですね


そして、学んだことを子どもたちの手によって後世に残すことで

このアンコールクラウ地域やその周辺の環境問題について考え、

環境をよりよくしようとする思いが広まると良いですね!


20177710のサムネール画像


来週金曜日には、残りひとつの小学校での発表があります

さらに練習を重ね、次週には

今までの練習と反省を

存分に活かすことができるといいですね♪


 次週金曜日の生徒たちの発表はどうなるのか....

また楽しみにしていてくださいね!












 





「なぜ、湖の魚たちは少なくなっているのでしょう。」

バイヨン中学校にて水環境授業を
行ってくださっていたシェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんは
トンレサップ湖見学前の生徒たちにこう質問を投げかけました。

生徒たちからは「ごみのせい?」「捕りすぎてしまったから?」
といった回答が。答えはどれも正解。
さすが!これまで水環境や魚について勉強してきた生徒たち!

(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが三井物産環境基金を受託し、
アンコール地域の水環境を若い世代で守っていくために行ってきたプロジェクトも3年目。

バイヨン中学校の生徒たちには
魚に関する知識が着実に身についているのだと感じる出来事でした。

それでは、ここからバイヨン中学校の生徒たちの
トンレサップ湖での課外活動の様子についてご紹介していきます。

今回集まった生徒たちは、引率の教師を入れて61名。
集まったのは各学年のリーダー的存在の生徒たち。

船に乗る前に、佐藤さんからお話が...

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バイヨン中学校のあるアンコールクラウ村の水は
トレンサップ湖につながっていて...
アンコールクラウ村の水を汚してしまうことは
トンレサップ湖を汚してしまうことになる。

だからこそ水をきれいに保ちましょう!ということを学びました。
勉強の後はいよいよ、船に乗って湖上へ!

201705252船の上でも何やらメモをしたり、
外をのぞき込んだり生徒たちの真剣な様子が見られました。

201705253201705254船でたどり着いた場所にはなんとワニの姿が!
201705255それだけでなくトレンサップ湖を見渡せるスペースもありました!
201705256そこでもやっぱりメモを取る生徒の姿が...
201705257バイヨン中学校の生徒たちは勉強が本当好きなのだと感じました。

トレンサップ湖を見学した後は、周辺をみんなでごみ拾い。
20170525810個近くのごみ袋がパンパンになるまで拾いました。
201705259その後は、近くの学校を訪問し、
水環境絵本を届けに行きました。
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この水環境絵本図鑑は三井物産環境基金の助成を受け、
佐藤さんや(一財)国際開発センター(IDCJ)、JSTスタッフが
作成に関わっています。

絵本図鑑を手にした
学校の生徒たちも水環境や魚のことに詳しくなってもらい、
カンボジアの子どもたちみんなで水環境を守っていってほしいものです。

豊田


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。
こんにちは!

今回はバイヨン中学校での水環境授業最終回となる
第6回目の様子についてお届けします。

今回も授業の前に先生役として集まった4人の生徒たちと
シェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さん、通訳のカンさんで
授業内容に関する打ち合わせからスタートしました。

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どのように説明するか佐藤さんからお話を聞くと、
小さな先生となる4人の女の子たちはみな真剣にメモを取っていました。

2017051805授業中に使う絵を自分たちで描いたりもして、いざ本番の授業へ。

今回のテーマは「生き物のつながり」

授業の1番最初に小さな先生から
生徒たちへ出された質問は
「シェムリアップにトラはいますか?」
「カンボジアにトラはいますか?」
でした。

正解は'シェムリアップ州に今現在トラは生息していませんが、
モンドルキリ州とラタナキリ州にはトラが生息している'でした。

これらの地域はカンボジア東部に位置し、
手付かずの自然が多く、エコツーリズムで注目を集めているそうです。

用意したカンボジアの地図を使って、
モンドルキリ州・ラタナキリ州の場所を確認した後は
東南アジア最大の湖であるトレンサップ湖や
東南アジア最長の川であるメコン川の位置なども確認しました。
途中、生徒に前に出て答えてもらう場面もありました。

2017051807続いて、2番目の先生の出番。

生き物のつながりを話すために今回話に出されたのは
草、ネズミ、ヘビ、トラの4種類。

草は太陽の光を浴びて自分で栄養を作ったり、土の中にある栄養や水を吸って育ち...
ネズミは草を食べて大きくなり...ヘビはネズミを食べて大きくなり...
トラはヘビを食べて生きている...というように生き物は必ず何かを食べて生きている

という話を、打ち合わせのときにみんなで描いた絵を使いながら説明。

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3人目の先生は生き物の個体数に関するお話を。

もし何らかの原因で草が今より増えたらどうなるか?
その答えは草を食べるネズミが増えてそのことにより草が少なくなるというもの。

それではネズミが増えるとどうなるか?
やっぱりネズミを食べるヘビが増えてそのことにより草が少なくなる。

ヘビが増えると、トラが増えるけれど、ヘビが少なくなる。

その先はどうなるの・・・?というと
1,2年も経てばトラも少なくなり、もとのつり合いがとれた状態に戻る。

これを図に表すと下のようになります。

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このような話をスラスラと説明している姿は頼もしかったです。

2017051811この話には生徒たちへのあるメッセージが隠されています。
それは、トラはトラだけで生きていくことはできず、
ヘビ・ネズミ・草の存在があってこそ、生きていけるということです。

わたしたち人間も動物の命や自然の恵みをいただいて生きている。
自分たちだけで生きているわけではないということが生徒たちにも
伝わっていたらいいなあと考えながら話を聞いていました。

そして、いよいよ最後、4人目の先生の出番。

2017051812ここからは海の生き物たちのつながりを勉強する時間。

生徒たちに白い紙が配られ、以前生徒たちが川で捕った生き物のうち、
1番好きなものを描いてくださいとの指示が出され...

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みんな思い思いに海の生き物たちを描き始めました。

どんな絵を描いているのか気になり、
生徒たちが絵を描いている様子を撮らせてもらいました。


2017051815絵を描いた後はその生き物が
ピラミッドのどのあたりに属するか考えて貼る時間。

2017051818迷いながら生徒たちが完成させたピラミッドがこちら...

2017051819この魚はもう少し上、こっちはもう少し下など
佐藤さんから少し訂正と解説がありながら...

2017051820貝やエビ、さらには海にも生えている草がなければ
魚もいなくなってしまうということを学習しました。

魚の授業は今回で最後ということでこれまでの学習内容を
いくつかクイズで確認をして3年目の魚の授業は終了となりました。

佐藤さん、カンさん、そして小さな先生たち、お疲れさまでした!!

2017051821教室での授業はこれで終わりになりますが、
実は次週トンレサップ湖での活動があります。

そちらの様子についても更新する予定ですので
ぜひチェックしてください。

豊田


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。

こんにちは!

前回のブログでは、「子どもの日」にこいのぼりをあげるのは、激流をのぼる鯉の様に人の子どもも丈夫で立派に成長しますように、といった願いが込められているということが紹介されていましたね。未熟な子どもが大人へと立派に成長するには何かを乗り越えなければいけない。どの生き物にも共通することなんですね。

そんな鯉などの魚にも人間と同様に匂いや味を感じることができるということをご存知ですか?

今日はバイヨン中学校で、3年目の第5回目を迎える「魚の授業(水環境授業)」に参加させていただきました。
今回のテーマは...「魚の感覚器官について」!

「魚の授業」が始まった2年目の年に授業を受けた生徒たちが、3年目の今は先生として授業を教えています。

一回勉強したからと言って、教えることは難しいので、まずは復習。

201705091.JPG授業の進め方などを真剣に聴きながら、メモをとり、練習までしている姿は見ていてとても微笑ましかったです。
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今回の授業がしっかり進められるのか少し不安な顔を見せる生徒もいました。


そんな生徒たちに、授業をしてくださっているシェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんから、授業を進めるにあたって最も大切なこと!としてエールが送られました。

「一番大切なことは、話す人が楽しく話すこと。自分のことばで楽しく話せば、聞いているひとも楽しむことができる。」
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不安な顔をしていた生徒たちも張り切って授業が行われる教室に向かっていきました。


そして、授業本番!

授業に参加している生徒たちは積極的に手を挙げ、メモをとる子もいました。
201705093.JPGのサムネール画像
授業では、村に生息しているトライ・カンチョやトライ・アンダインという魚についても勉強しました。この魚たちは、味を舌で感じとるだけではなく、ヒゲや体中の細胞も使って味わうことができているのです。これらの魚は、他の魚よりも目が良くないため、それを補う様にヒゲや体中の細胞を使って食べ物を見つけているのです。
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最後まで真剣に授業を進めることができた3人の生徒たち。最後には「やりきった!」という笑顔がこぼれていました。
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授業終わりに...
佐藤さんがこの3人の生徒たちについてのお話をしてくださいました。
「以前までメモを見ないと前で話すことができなかった子が、今回は何も見ずに人前でどうどうと話すことができていた。」と、佐藤さんも今まで教えてきた生徒たちの成長に感動されていました。

次週で最後の「魚の授業」。不安な顔を見せながらも確実に成長していく子どもたち。
生徒が先生となって何かを教える、という立場になると壁にぶち当たることもあると思いますが、鯉のようにその壁を乗り越え、村に生息する2種類の魚のように、自分の個性を活かして成長していってほしいですね。


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。


こんにちは!
JSTインターン学生の仲尾です。

今回は、2月17日に行われた「アンコールクラウ村の水辺調査実習」の様子についてお伝えします。
まず初めに、この実習の概要と意義についての説明をさせてください。

この実習は、(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが三井物産環境基金を受託し、
アンコール地域の水環境を若い世代で守るプロジェクトの一環として行われたものです。
カンボジアの中学生が地域の水辺を訪れ、生き物を捕まえ観察することで、水辺の実態についての学びを深めてもらい、生態系や環境への意識を高めてほしいとの目的で行われている活動です。

参加者はバイヨン中学校1年生の51名。5グループに分かれての実習となります。
今回は、日本の団体「育てる会」でカンボジア来訪中の高校生・大学生の皆さん14名も実習に参加しました。
それだけでなく、昨年9月に「育てる会」で日本に招聘されたカンボジアの青年9名も参加し、
生徒5グループと合わせて、全7グループでの実習となりました。

行程としては、まず中学校から自転車でアンコール・トムの北西環濠の脇を流れる川に行き、水辺の生物を採取します。
採取に使う道具は、カンボジアで現在も使われている投網や囲い網、手掬いカゴなどです。
1時間ほどの採取ののち、皆で川や道路のゴミ拾いをしてから学校に戻ります。
学校では、持ち帰った水辺の生物を班ごとに観察し、大きさや特徴を記録し、スケッチをしていきます。
最後に出来上がった成果物を発表し合う・・・・といった具合です。


さて、実習の様子に戻りましょう。
アンコール・トムの北西環濠に到着した参加者たち。

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開始の合図とともに、カンボジアの子供たちは思い思いに散らばり、道具を巧みに使って魚を獲りだしました!
この地域で育ったバイヨン中学校の生徒たちにとって、夕食のおかずともなる魚獲りは、日常生活の一部となっているため、慣れたものです。

P2171908.JPGこの男の子たちが引き揚げてきた網には...

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小さな魚が引っかかっていました。
うろこがきらきらとしてきれいな魚です。


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このような細長ーい魚もいます!

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シェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんが投網の投げ方を教えています。
教えられているのは日本の学生たちです。

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佐藤さんに方法を教えてもらい、いざ実践です。
素人目から見ると上手に投げられていると思ったのですが、この後水の上に網が広がらず、うまくいかなかったようです。
投網の扱いはなかなか難しい模様。

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観察用の容器の中にもたくさんの魚が。
透明で臓器が透けて見える魚もいて面白かったです。

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生徒たちがなにやら網の上に集まっていたので覗いてみると
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またまた小さな魚がたくさん!
実習前は、どのくらい魚がとれるか全然イメージできなかった私ですが、
生徒たちが引き揚げてくる網にはこのような感じで魚が引っかかっていました。


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満足げな表情でバケツを持って戻ってくるトゥオン君。
きっと大漁だったのでしょう(笑)
P2171964.JPGそんなこんなで、1時間はあっという間に終わってしまいました。

皆、もっと川にいたい様子でしたが、ゴミ拾いの時間です。
バイヨン中学校の生徒たちは、環境に関する意識が高く、校内がいつもきれいです。
そんな意識の高さをゴミ拾いにも発揮!
黙々とゴミを拾っていた生徒たちなのでした。
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P2171975.JPG落ちていたごみは、たばこの吸い殻やビニール袋、お菓子の包み紙など。
短時間の間に大きなごみ袋5袋ほどがいっぱいになりました。
これまでの魚の授業からも、環境を守る大切さを認識しているであろう生徒たち。
この実習時だけでなく、常に環境に対しての問題意識を強く持ち、
積極的に環境を守るために動ける人になってほしいと思います。

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その後は学校に戻り、グループに分かれて捕った魚の発表を行いました。


P2171987.JPG模造紙に捕った魚の絵、名前、体長などを書きこんで発表します。
スケッチする目がとても真剣な生徒たち。

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とても絵が上手な生徒も見つけました。
自分の世界に入ってひたすらペンを動かしていたので近づくと...

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こんなに上手に絵が描けていてびっくり!
この魚の特徴をうまくとらえた絵になっています。
将来は画家になれそうです。

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先ほどの細長い魚、体長は23センチだったよう。
下に並べられた魚と比べると、随分大きいことがわかりますね。
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観察とまとめも、バイヨン中学校生徒5グループ、育てる会の学生グループ、カンボジア人青年グループの7グループに分かれて行いました。
どのグループの模造紙も、さまざまな種類の魚のイラストがいっぱいでした。
また、カンボジアの生徒や青年たちは魚の名前もわかるようで、すらすらと紙に書いていてとても驚きました。




準備ができたところで発表タイムです。

その魚の名前、大きさが読み上げられていきます。
自分の好きな魚を紹介している子もいました!

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「育てる会」の学生グループ。
カラーペンを使ってカラフルに仕上げています。

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カンボジア人青年グループ。

このグループの絵がとても上手で、それぞれの生き物の特徴をつかんだイラストばかりで感動しました。
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これが、各グループが発表用に作った魚のイラストが描かれた模造紙です。

観察用のバッドをじっと観察したり、魚をすくってみてみたり、はたまた手に乗せてみたり...
と生徒たちはそれぞれの方法で魚の観察を楽しんでいた模様。
目が大きかったり、口がとがっていたり...と観察で分かったこともきちんとイラストに取り入れられています。

P2172053.JPGP2172052.JPGP2172054.JPGP2172056.JPGP2172055.JPGP2172057.JPGP2172058.JPG
身近な川に、こんなにもたくさんの種類の生物がいたとは...。
一口に魚といっても、形も容姿も様々でした。
生き物の多様性に改めて驚かされるとともに、
この多様な生態系を守っていくことの大切さも再認識できました。
網を投げて引き上げると、小魚がぴちぴちとはねていたのが印象的でした。
次回からはまた教室での授業に戻りますが、実際に川に行って水辺の生き物を観察したことで、
授業へのモチベーション、理解度もアップするのではないかと期待しています。
また今回、生き物の観察、ゴミ拾い、生き物のスケッチと、生徒たちがこの水辺の実習に真剣に取り組んでいる姿を見ることができました。
アンコールクラウ村の水環境、そこに住む生き物たちについて、実習前よりも興味や関心を持ってくれたことと思います。


仲尾

このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。





こんにちは!仲尾です。



"生きものは皆自分の子どもを作ろうとしますが、なぜでしょうか?"

魚の授業で通訳を務めているJSTスタッフ、カンさん。
第4回目の魚の授業2日前、通訳内容を予習中だったようで、彼女から突然こんなクイズを出題されました。


「本能だから......?」としか答えられなかった私です。




佐藤さんのお言葉をお借りすると、生き物が自分の子どもを作ろうとするのは、

"生き物は皆、自分のDNAを未来に残そうとする"からです。






前置きが長くなってしまいましたが、今回のブログは魚の授業第4回目の様子についてお伝えします。
今回は魚の様々な繁殖の仕方、産卵方法などがテーマでした。






魚の授業、いつものようにまず最初は小さな先生と佐藤さん、私、そして通訳のカンさんの打合せから始まります。
最初に佐藤さんからこんなお話が。

「授業をするときは、自分の言葉で楽しく話しましょうね。暗記したことをそのまま話すのはやめましょう。」


実は今年度の魚の授業、小さな先生たちは自分たちが教える内容について、自分の担当箇所でいう台本を暗記することに気を取られすぎてしまっていました。
そのため実際の授業内容を先生たち自身が理解しきれていないということを危惧されていた佐藤さん。
自分の頭で内容を理解していたら、台本が無くても説明できますよね。
その話を聞いた先生たちは、いままでのように沢山メモをとることをやめて、佐藤さんの説明を自分の頭で理解しようとするようになっていました。




最初は、オス(チュモール)とメス(メー)の関係について勉強。
ヒトは男1人と女1人でペアになって子どもを作りますが、魚の配偶システムは違いますね。
一夫一妻、一夫多妻、複婚も!
イラストのように、多様な配偶システムで子どもを作ります。

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ほかにもいろいろと予習をした小さな先生たちですが、その内容はのちほどの授業で...。


JSTスタッフカンさんも通訳内容の予習を欠かせません。
授業内容がまとめられたプリントには魚の授業で使われるキーワードに関しての意味が書かれたメモがいっぱい!
縁の下で魚の授業を支えてくれています。

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いつものように元気な生徒たちにむかえられて授業がスタート。
今回の授業は前回までとはすこし違いますよ。
授業のはじめに、前回の授業の復習テストを実施しました!

前回時の内容を忘れてしまっている生徒がいるため、魚の授業で学んだことがきちんと生徒に定着しているのかが疑問...という佐藤さんの声もあり、
私たちインターン生で前回の授業の復習テストをつくろう、ということになったのです。


形式は三択クイズ。
たとえば、

Q.魚はどの器官で呼吸をおこなうか
1.心臓 2.肺 3.エラ 
(答え:3.エラ)


というかんじです。




できるかな?!


いつもなんにでも全力投球な生徒たち。もちろんテストだって一生懸命やります!
......と思いきや!?


「隣を見てはいけません!!」


カンさんの注意する声。
どうやらカンニングをしている生徒を見つけた模様。
みんな!満点を取りたい気持ちは分かるけど、自分の実力で解かないと意味がないですよ!

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気を取り直して...。
みんなで答え合わせです。


「正解だったひとー?」 「はーい!」



どのくらいできるか心配でしたが、4点満点中、大体の生徒が3点か4点を取れていて安心しました。
その場で復習もしたので、間違えたところも正しく学びなおせたと思います。


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さてさてみんながお待ちかね、今回の授業の本題に入ります。
先ほどご紹介したオスとメスの配偶システムの多様性の説明をおこなった先生。

次に、先生がこんな問いを投げかけます。
"魚たちはどんな方法で卵や子どもを産みますか。卵で産むでしょうか、赤ちゃんを産むのでしょうか?"

正解は両方です。魚は種類によって子どもの産み方が異なります。



特に子どもの産み方が面白いのが、トライ・コンプリエンという魚。
オスが、泡の家をつくり、その中で卵や子どもを守り育てます。
この魚、アンコールクラウ村にも生息していて、とてもきれいな魚だそう。

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上の写真と同じイラストを模造紙に描いて、先生も"自分の言葉"で説明できています。
今日はメモ書きを持たずとも、生き生きと先生役がつとまっていました。
佐藤さんも私も一安心です。


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次に変わった子どもの産み方をする2種類のサメについて紹介。
写真のイラスト、右上のイラストはこの種類のサメの卵です。
直径が15cmほどと大きいため、生まれるまでに約一年もかかります。
このサメの卵、クワガタのような変わった形をしていますよね。  
これは、潮に流されてしまわないため、どこかに引っかかりやすいようにこうなっているそうです。  
 

20161223_170214_0106.jpg下のイラストのサメの赤ちゃんも興味深いです。
このサメは3mほどある大きなサメ、その赤ちゃんはおなかの中で1mくらいまで育つのですが、
お母さんがおなかの中に赤ちゃんが食べるための小さくつぶつぶした卵を作るのです。








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アフリカの湖には、下の写真右上のイラストのように、巻貝の中に卵を産み、そこを子どもの家にしてしまう魚や、二枚貝に卵を産み付ける魚がいます。

これ以上は授業では触れていませんが、佐藤さんに教えていただいてびっくりしたのがタナゴの産卵方法。
アサリなどの二枚貝、その貝のエラの中に卵を産むのだそう。
二枚貝には2本、角や触覚のようなものが生えていますよね。
あれは入水管と出水管といって、前者が酸素をエラに取り込み、後者が二酸化炭素をエラから出しています。
タナゴは、二枚貝が開いた一瞬の隙を狙って、細い管を入水管の中に挿し、その管から卵を貝のえらの中に産み付けます(下の写真の右上のイラストのように)。
その卵は貝のエラの中に守られて安全かつ、いつも新鮮な酸素を吸えるというわけです。

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最後に、カンボジアのカンポット州やコッコン州などの海にも生息するタツノオトシゴについて。
タツノオトシゴはオスが子育てをします。
オスはおなかにポケットを持っていて、そのポケットに卵をいれ、そこから赤ちゃんが生まれて泳げるようになるまで育てるのです。
カンガルーのようで、斬新です。

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この女の子はタツノオトシゴの子育てが面白かったようで、わくわくとした表情を浮かべながら小さな先生のお話に耳を傾けていました。

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今回の授業で、魚たちは未来に自分たちのDNAを残すこと、それを目的に生きていることが分かりました。
DNAを残す方法もDNAに刻み込まれているのですから、生まれた瞬間から次の世代のことを考えて生きているのですね。

一方私たち人間の生きる目的が、"DNAを次の世代に引き継ぐこと" といわれても本能的にはそうだと思いますが、しっくりこないですよね。
他の生き物たちとは違い、私たち人間は生きる目的を探して悩んだり、見失ったり...。何を目的に生きているかも人それぞれ違います。
そんな人間に比べると、授業で学んだ魚をはじめ、他の生き物たちの生きる目的ってシンプルでまっすぐ、そして潔いものだなーとなんだかしみじみしてしまった私でした。


次回の授業では、実際に魚を獲る実習に出かけます!
授業で習った魚たちには出会えるでしょうか、楽しみです。


仲尾

このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。







こんにちは!
先日、トンレサップ湖でバイヨン中学校の生徒たちの課外活動がありました。
この活動は(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが三井物産環境基金を受託し、
アンコール地域の水環境を若い世代で守っていくために、行っているプロジェクトの一つです。
今年度で3年目となるこのプロジェクト、
今回の活動は前年度に予定していたものであり、やっと実現することができました。

ではではその活動の様子をお伝えしていきます!

シェムリアップに住んでいるにも関わらず、
学校から車で一時間足らずのトンレサップ湖には行ったことのない生徒がほとんど。
大型バスに乗り込んで意気揚々とやってきました。
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当初来る予定だった生徒の数は50人だったのですが、今回来た生徒はなんと先生4人含め、73人!
きっとどうしても連れっていってほしいと先生に頼んだのでしょうね(笑)

バスを降りてからはシェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんから
トンレサップ湖に関する知識を教えて頂きました!
佐藤さんには前述したプロジェクトの一つとして
バイヨン中学校で"魚の授業"と題した授業を月1回ペースで実施して頂いております。
今回はこの活動のアドバイザーとしてご同行下さいました。
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トンレサップ湖の水位は乾季の時は1m足らずですが、
雨季になると約8m水位が上昇して10mほどになることやトンレサップ湖の
歴史について教えて頂きました!
1月の今はすでに乾季に入っていますが、水位は今後さらに低くなり、
低さのピークは4月、5月頃となります。

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そういった情報を聞いてから見るのと見ないのとでは全然見方が違ってきますね。

昔からカンボジアの人々の生活を支えるトンレサップ湖ですが、
生徒のみんな知っているようで知らないことも多かった様子。
もっともっとトンレサップ湖のことを勉強してもらいたいものです。

勉強の後はいざ乗船です!
大きなボートに乗ったことのない生徒はみんな大はしゃぎです。(笑)
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しばらくボートで進み、トンレサップ湖の雄大さに圧倒されつつたどり着いたのはここ。
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ここではナマズの仲間である魚やワニ、ヘビを近くで鑑賞できるスペースがあります。
みんなたくさんのワニに目が離せない様子。

この場所を存分に楽しんだ後はトンレサップ湖周辺のゴミ拾いをしました。
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観光客が多いためか地元の人がごみを捨てることを厭わないせいか、
ゴミのポイ捨てが非常に多いトンレサップ湖周辺。
拾っても拾ってもきりがありません。
10袋のゴミ袋があっという間にパンパンになりました。
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ご覧のようにビニール袋のゴミなどがたくさん散らかっています。
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ペットボトルやお菓子の袋などもたくさん捨てられています。
生徒たちが拾っている姿を見て観光客や地元の人がハッとしてくれれば良いのですが...。

地域の人が協力してこのような活動をすることは
トンレサップ湖の持続的な環境保全につながります。
このようなごみの散乱した状況を見て、
きっと普段から中学校でゴミ拾いを積極的にやっている生徒たちは感じるものがあったはず。
彼らこそがカンボジアのこれからの担い手です。
今回の活動を通して彼らからもっと環境保全に対しての関心を広めていってほしいと
願うばかりです。
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そしてこの後はトンレサップ湖の近くにある中学校へ、このプロジェクトの絵本を届けに行きました。
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空に映える素敵な校舎です。
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この水環境絵本図鑑は三井物産環境基金の助成を受け作成されたもので、
佐藤さんや(一財)国際開発センター(IDCJ)、JSTスタッフが作成に関わっています。
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このようにバイヨン中学校の生徒からトンレサップ湖の近くの中学校の生徒たちへ
本が手渡されました。
近くにトンレサップ湖がある生徒たちにとってはとても興味深い本なのではないでしょうか。
じっくり読んでくれると嬉しいですね。
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最後は友好のあかしにカンボジアの伝統音楽であるアラピヤを共に歌いました。
バイヨン中学校とはまた全然違った形で学ぶ生徒たちとの交流は
生徒たちにとって大きな刺激となったのではないでしょうか。
バイヨン中学校にもぜひ訪問してもらいたいですね。

帰り際、生徒の表情を見ると、少々疲れ気味ではあったものの、
盛りだくさんのコンテンツに満足した様子でした。

後日、生徒に聞いた今回の活動に対する感想を少し紹介させて頂きます。

まず一人目。
トンレサップ湖に来るのは初めてで、乾季と雨季で水位が変わることを佐藤さんに教えてもらった。
そして初めてトンレサップ湖を見た時、その長さ、広大さに驚いた。
だが、トンレサップ湖はごみくずやビニール袋のごみが多すぎた。
次はトンレサップ湖の近くにあるクロム山に行ってゴミ拾いをしたい。

二人目。
トンレサップ湖は初めてで、その大きさや約5500年も存在していることを学んだ。
そして水上での生活と漁業、ワニやヘビなどの飼育、岸辺で育つ木々達に興味を持った。
トンレサップ湖の環境破壊は人々がゴミを散らかしたりすることや、
ボートを多く使うことで魚に悪影響を与えていること、
マングローブの木を人々が切ってしまうことで起きていると思う。
次ここに来たら泳いだり、魚を獲ってみたりしたい。

そして三人目。
トンレサップ湖に行くのは初めてで、トンレサップ湖にはたくさんの種類の魚がいることや、
カンボジアの乾季と雨季という季節について学んだ。
またどうやったら環境を守れるのかも学ぶことができた。
水上に浮かぶ家やこの地域での教育、そして水質汚濁は人間の出す化学物質によって起こされているということに興味を持った。
もう一度ここにきて岸辺の掃除をしたい。
そしてこの地域に住む人たちについてインタビューして漁業のことについてもっと知りたい。
さらに小さな子どもたちに環境のことや、飲み水のこと、水をどうやったらきれにできるかについて
教えたい。また地域の人たちにごみをちらかすとその先どうなるかを伝えたい。

といった感想を聞くことができました。
環境のことをどうにかしなければという気持ちを持っているということがとても嬉しいですね。
この気持ちを忘れずまた次に生かしてほしいものです。

今後3年目のプロジェクトとしては4回ほどこういった課外活動を予定しています。
多くの生徒に足を運んでもらい、今回行けなかった生徒たちにも
こういう機会を設けることができればいいなと思います。
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榎本


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。

スオスダイ!仲尾です。

お正月休みも終わり、お正月太りが気になっている方もいらっしゃるのでは?
前回のブログで、カンボジアの料理が美味しいために榎本さんが「太ったね」とよく言われるようになった、と書いていました。
私も榎本さんと同じく、カンボジア料理が大好きでいつもたくさん食べるため、食いしん坊な子というキャラが定着してしまっています。
昼食時などには、「本当によく食べるね~」とスタッフに驚かれます。
そんな私ですが、最近は魚料理にはまっています。特に、トライアンマチュースヴァーイ(焼き魚に酢漬けにした青マンゴーが添えられた料理)がさっぱりと食べられて好きです。



魚料理のお話を少ししましたが、魚といえば!
皆さんお気づきの通り今回のブログは魚の授業についてです。
魚の授業第3回のテーマは、「魚の体のしくみ」について。


いつもと同じように、佐藤さん、先生役の生徒たち、通訳のカンさんによる打ち合わせから。



大きな人と魚の絵。中に何か書き込めそうですね。

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そして、肺が描かれた絵本のページを開くカンさん。
さて、どんな授業になるのでしょうか。


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さて授業のスタートです。
"ヒトは一分間に何回呼吸をするでしょう"
小さな先生が問いかけます。
「じっとしているときと、動いているときでは呼吸数が違います。今回は座っているときの数を数えてみましょう。」と佐藤さん。
生徒たちは呼吸数を数えたことがないようで、物珍しそうな表情です。


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通訳のカンさんがタイマーで一分計ります。
さあみんな、一分間集中して数えてみよう!

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一分後...

「呼吸数は何回でしたか?」の問いかけに、
「18回」 「20回」 「25回」と答える生徒たち。
人によりばらつきがありますが、平常時の呼吸数が大体20回前後であることが分かりました。


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人間、そしてすべての生き物にとって大切な"呼吸"。
空気中にある酸素を体内に取り込む行為のことですね。
それでは "空気中にある酸素は全体の何%でしょうか"
これはすでに学習済みなので答えが分かるはず!!
「21%です。」とある女子生徒が答えます。
お見事。きちんと復習できていたようですね。

P1011235.JPGO2を鼻と口から体内に取り込みます、と小さな先生が説明します。

P1011237.JPGさて、ちゃんと覚えていてくれてほっとしたところで次の質問です。
"ヒトの呼吸をつかさどる器官はどこでしょうか"
「肺です」とまたある生徒が答えました。
正解です。
また肺は胸の右側と左側に1つずつあること、酸素を取り込むだけでなく、
二酸化酸素を外に出す役割もあることを勉強しました。
肺の絵を先生がヒトの絵の中に書き込みます。
これで肺についてのイメージがしやすくなりました。

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それでは、"人間と同じように肺を使って呼吸をしている生き物はほかにどんなものがあるでしょう"
 黒板に貼られた紙に描かれているのは、イルカ、ウシ、ニワトリ、カメ、カエル、オタマジャクシ、コオロギ、そして魚です。
少し難しい質問だったようで、実は小さな先生と佐藤さんの打ち合わせでも、正解者が出ませんでした。
正解は、イルカ、ウシ、ニワトリ、カメ、カエルの5つ。
(これらのうち牛の絵は私とカンさんで描いたのですが、どうやらブタにもみえたらしく、ウシブタがいる~、と小声で生徒が話していて恥ずかしかったです(笑))

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魚は肺を持つ生き物には含まれていないので、ヒトとは違う呼吸の仕方をしているということですね。
ここからが今回の授業の重要ポイント!
"魚はどうやって呼吸をしているでしょう"

先生が真剣な表情で説明します。
「魚は目の後ろに鰓というものをもっています。この鰓を使って水中の酸素を体に取り込み、二酸化炭素を外に出します。」

そしてもう一つ重要なことが。
それは、一部の魚は水中での鰓呼吸に加え、空気中の酸素を使った呼吸もできるということ。
それらの魚に共通しているのは鰓のほかにも、"ラビリンス"という器官を持っているということです。
ラビリンスは鰓の上のほうにあります。この器官を使うことで空気中での呼吸が可能になります。
小さな先生が絵本を開いて説明していますね。


このラビリンスをもつ魚は世界的にも珍しいのですが、ここカンボジア、もちろんアンコールクラウ村にもこの種の魚がたくさんいるそうです。
生徒たちもそれをきいて少し得意げな表情をしていました。



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この下の写真の絵に描かれた、四匹の魚の小さなイラスト。
キノボリウオ(左上) ライギョ(左下) クララ(右上) グラミー(右下)。
これらの魚がラビリンスを持つ種です。
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授業ではこれ以上のことは触れていませんが、ラビリンスを持つ魚について、もうすこし掘り下げたことを佐藤さんにお聞きしてみました。

まず基本的な情報として、ラビリンスを持つ魚の多く(すべてではありませんが)はスズキ目の魚だということ。

スズキ目を代表する魚は、日本でもよく食されているスズキや鯛ですね。

スズキや鯛など、スズキ目の魚は、第1背びれと第2背びれの二つの背びれを持っています。

第1背びれは、ギザギザとした固い棘のような鰭が連続しており、その後ろにある第2背びれは見た目でも柔らかそうな細い筋が集まっています。

佐藤さんによると、

「魚の分類学的には第1背びれと第2背びれがわかれていない魚は古くからいる魚のグループといわれており、スズキやタイの様な背びれを持つ魚たちはその後に進化して2つの違う背びれをもつようになった魚なので比較的新しい魚のグループといわれているのだそう。

ラビリンスを持つ魚も同じ背びれのスタイルをしています。

このことから、ラビリンスを持つ種はスズキ目の魚なのだということがわかりますね。また、この種は比較的新しい魚のグループ(佐藤さんによると、恐竜時代にはまだ誕生していない)なのだということもわかりました。



そして、なぜカンボジアにこの種の魚が多いのかについて。

カンボジアを含むインドシナには低く平らな平野部が広がっています。

その平地は雨季と乾季で水が引いたり氾濫する場所があり、それらは氾濫原といわれ、アマゾンやアフリカの一部にも同様の氾濫原があります。

そしてこの氾濫原は一時的にできる水たまりや湿地に似ているため、水の中の酸素量がとても少なくなってしまう時期があるそうです。


そのためにそのようなエリアに生息する魚は、

「長い年月の間に水中の酸素だけでなく空気中の酸素を取り込めるようになったのではないか」と教えていただきました。

しかし明確な答えはまだ分からないのだそう。

ラビリンス、"迷宮"という意味の通り、謎多き器官ですね。



ちなみに今回授業で登場したラビリンスを持つ魚"キノボリウオ"、面白い名前ですよね。
雨天時などには地面をはい回ることができてしまうのだそう。
その命名の由来は、「鳥に捕まって木の上に運ばれたのを見つけた人間が、木に登れる魚だと信じ込んだ」ところからきているという説があります。
ということで実際には木に登ることができないのです。
私はてっきり木に登るから「キノボリウオ」なのだと思い込んでいたのですが...。







そして、今回の授業を締めくくる、小さな先生からのメッセージ。

魚は水中の酸素を取り入れることで呼吸が出来ていますが、その水が汚れていると、水の中の酸素が少なくなって、魚が生きていけません。

ラビリンスを持つ魚は水中で鰓呼吸をするほか、空気中の酸素を使っての呼吸もできますが、
基本的には水中に生息しているため、水が汚いと病気にかかって死んでしまいます。


「池や川、魚が住む環境を美しく保つことが大切です」





少し時間が余ったので佐藤さんが、きれいな村と汚い村を描いてみましょう、と生徒たちに提案しました。


きれいな村の絵は、ハスの花が咲いて、水も青く、平和な感じです。
生き物が理想とする環境です。

P1011258.JPG汚い村の絵は、思いっきり汚して描いてくれました。
沢山のゴミが水の中に落ちていて、太陽の表情も悪そうですね(笑)

P1011257.JPGどちらの村が良いかはだれが見ても一目瞭然。
魚の授業を通して、すべての生き物が元気に生きていくために、
環境を美しく保つことの大切さも学ぶことが出来ました。
生徒たちも自分の村をきれいに保とう、という自覚を持ってくれたのではないでしょうか。



私は今回の授業を通して初めて、"ラビリンス"という器官を持つ魚がいること、
その種の魚がアンコールクラウ村に多く生息していることを知りました。
水がないのに元気に跳ね回っている魚をシェムリアップの市場で見かけたことがあり、
不思議に思っていましたが、あの魚たちはラビリンスを持っていたのだということが分かりました。

姿かたちを変化させ、長い年月をかけて生活環境に適応していく生き物たち。
ラビリンスを持つ魚もそのような進化を遂げた生き物の一種です。
神秘的でとても面白いと思いました。



次回の授業は課外実習。トンレサップ湖へと出かけます。
トンレサップ湖は東南アジア最大の湖。たくさんの淡水魚が生息している場所です、
一体どんな授業になるのでしょうか。いまからわくわくします。


仲尾

このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。

こんにちは!
最近カンボジアのおいしいごはんをたくさん食べているせいか、「太ったね!」
と良く言われるようになってしまった榎本です。笑

本日は魚の授業3年目、第2回となるバイヨン中学校での授業について
紹介させて頂きます。

授業のテーマは「私たちヒトや魚などの生き物はいつ?どのようして生まれたのか?」です。

今回も前回の授業と同様に上級生が1年生のクラスで授業を行うという形を取りました。
その為、小さな5人の先生たちは事前に
毎度お馴染み、シェムリアップ淡水魚研究所の佐藤智之さんとの
授業内容の打ち合わせをしました。
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緊張して内容を忘れちゃうかもしれないので、
小さな先生たちは、一生懸命佐藤さんの話すことをメモにとります。
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そうしてしっかり打ち合わせを済ませてから、いざ授業へ!!!
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小さな先生たちはやや緊張気味です。笑

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始めの挨拶をして、まず最初の切り出しは、
「生き物は何で出来ているでしょうか?」という質問からです。
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勢い良く生徒たちから手が挙がります!!!
何人かの生徒たちが答え、惜しい解答をした後、
クラスの中で「一番、一番!!!」と声が上がります。
みんなの目線の先はこの少年。
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彼はこのクラスで一番の物知りで、みんなから一目置かれた存在なようです。
うーん。と悩む彼。
そしてパッと立ち上がり、
「生き物はたくさんの細胞が集まって出来ています。」と答えてくれました。

...大正解です。(ちなみにヒトの体は約60兆個の細胞によってできているそうです。)
みんなからはさすが~というようなどよめきと拍手が起こりました。

なんだかこの光景、私も小学校、中学校の頃クラスであったなあ、なんて
懐かしい気持ちになりました。
クラスに必ず一人はいる物知りなクラスメイト、皆さんもいたのではないでしょうか?笑


そのような形で授業は進んでいき、ヒトはいつ生まれたのか?
という話題に話は移っていきました。
生徒の皆が考えやすいようにまずは、
小さな先生が「アンコールワットが出来たのはいつでしょう?」という質問をしました。
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すると生徒が自信満々に手を挙げ、1000年前!と答えてくれました。そうですね。
アンコールワットは12世紀前半に建立された寺院ですので
おおよそ1000年前にできたといえます。

ではヒトは?????

「なんとヒトの始まりは500万年前なんです。」
小さな先生がそう言うと「え?500万年前!?」と何度も聞き返す生徒が多数。笑
アンコールワットですら、すごく昔のことに感じるのに500万年前となると
一体どれだけ昔なんだという感じですよね。

ではそのヒトの始まりはなんだったのか?
これは皆知っていました。
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サルですよね。

ではヒトが昔サルだったという証拠が今もヒトの体に残っているのをご存知でしょうか?
生徒たちも一生懸命考えます。
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正解を知っている小さな先生たちはにやにやしています。笑

なかなか答えがでないので正解を言いました。


正解は...!尾てい骨の出っ張っている部分です。
これはヒトが進化する前に尻尾があったという証拠だというのを皆さんはご存じでしたか?

生徒の皆も知らなかったようで尻尾の証拠を確認してはケラケラと笑っていました。笑
私もこれは初耳で面白い発見でした。

今回の授業はここまででした。
小さな先生たちからたくさん面白い知識を教えてもらいました。

また、次回の授業が楽しみです!
小さな先生たち、佐藤さん、そして通訳のカンさんお疲れさまでした(^o^)
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榎本


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。




みなさんこんにちは。早いもので、2016年も残り1カ月と少しとなりましたね。
先日買い物に行ったスーパーで、大きなクリスマスツリーを見たのですがなにせ暑いので(^^;
不思議な感覚に包まれた私です(笑)


と、クリスマスツリーの話はさておき。
今回は、先日バイヨン中学校で行われました、魚の授業について皆様にレポートします。
魚の授業とは、2014年度から3年間にわたり行われているプロジェクトで、今年度(2016年10月~2017年9月)が最終年です。


この授業を行っているのは、シェムリアップ淡水魚研究所代表 佐藤智之さんです。
しかし、先生役を務めたのは...

P1010909.JPGあれれ、小さな5人の先生たち!彼らは昨年、魚の授業で生徒側だったそうです。
魚の授業では、昨年の生徒が今年の先生役となるスタイルをとっています。
今回は第1回目。魚の授業は数回にわたり行われますが、
今回のテーマは「生き物が生きるのに必要な3つの要素とは」です。
まずは魚だけでなく、生き物全体について学びます。



授業前の打ち合わせに途中から参加できたのですが、

P1010903.JPGとても和気あいあいとしていますね。佐藤さんが授業のポイントを生徒に伝えています。
どんな授業になったのかは後ほどのお楽しみに...






さてさて、楽しい魚の授業の始まりです!
まずは小さな先生が、生徒たちに質問を投げかけます。
「生き物が生きる上で必要な3つのものは?」

地面、太陽...様々な答えが飛び出します。
先生が求めていた答えはでてくるかな...

「オキシゲン!」出ました。そうです、まずは酸素ですよね。
そして「食べ物」と「水」です。


ここでもう一つ質問が。
「生き物以外で酸素をつかうものは何でしょう?」
みなさんはもうお分かりのはず、「火」ですよね。

ここで、火をつけたロウソクにコップをかぶせ、何秒で火が消えるのかを実験します。


P1010918.JPGP1010919.JPGP1010920.JPGみんなで一緒に数えます。
「モイ、ピー、バイ、ブーオン、プラム......プランバイ(8)!」
8秒で消えました。
ロウソクの火が、8秒でコップの中の酸素を使い終わったということですね。



次に、生き物と酸素、二酸化炭素との関係について。
小さな先生が図を使って説明します。
生き物は生きていくために、酸素を吸って、二酸化炭素を吐く、つまり呼吸をおこなっています。
一方木などの植物は、明るい時は二酸化炭素を吸収して酸素に変え
暗い時は生き物と同じように酸素を吸収して二酸化炭素を出します。

P1010924.JPG
P1010925.JPGこの図を見てみると、生き物が生きられるようにうまく循環しているのだな、と改めて自然の凄さ、
偉大さというものを感じました。



最後に「水」について。
「人間の体のうち、何%が水分でしょうか?」
1.10%  2.30%  3.60%  4.80%


正解は...

P1010928.JPG3.60% ですよね。
身体の半分以上を水が占めていることからもわかるように、
私たちが生きるためには水が必要不可欠なのですね。






「生き物が生きる上で、酸素、水、食べ物、この3つが必要であることを覚えておいてください。」
と佐藤さんが締めくくり、本日の授業は終了です。


来月からはいよいよ魚について学んでいきます!
佐藤さんとお話ししていてびっくりしたのですが、バイヨン中学校の近くの川にはなんと、
フグがいるそうです!実際に写真も見ることが出来ましたが確かにフグでした(笑)
日本でフグといえば海の魚ですよね。
日本の常識が、世界の常識ではないんだなあ、新しい知識を得るって本当におもしろいなあと
1人で感動していました(笑)
来月の魚の授業、生徒たちと同じように、私も新しい発見に出会える予感がして楽しみです。



仲尾唯子


このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。