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11月17日(水)
前回に引き続き、今回も愛知県の常滑ロータリークラブのご支援を受け、
「第7回 子供たちのためのアンコール遺跡社会見学会」を行いました。
今回は、モクネアク小学校6年生108名、先生2名です。
モクネアク小学校は、シェムリアップ市内で2番目に人気のある公立小学校で、
6年生だけで6クラス300名以上在籍しているとのこと。
1クラス約50人なので、今回は2クラス分の生徒を対象に、
アンコール遺跡社会見学会を行うことになりました。
そして、今回は、日本人観光客のバイヨン・インフォメーションセンター見学予約が急遽入ったため、
時間を繰り上げて、朝7時に見学会開始となりました。
バイヨン・インフォメーションセンターにて、石を動かす古代の"てこ"に興味を示す生徒たち。
こうやって、重い石を動かしていたのですね。
遺跡修復現場にて、遺跡修復の専門家や作業員の説明を真剣に聞く生徒たち。
そして、今回は、特別に、バイヨン寺院内の彫刻説明も行いました。
かねがね、私は、アンコール遺跡はカンボジアの遺跡であるのに、
見学しているのは、ほとんどが外国人観光客であるいうことに、とても違和感を感じていました。
日本でいったら京都や奈良に匹敵する、カンボジアを代表する歴史的遺産であるのに、
当のカンボジア人がほとんどいないこと、
特に子供にいたっては、物売りの子供の姿くらいしか遺跡内で見ることができないのです。
その理由のひとつに、この国の小学校、中学校では、修学旅行はもちろん、
遠足や社会見学会がないことが挙げられます。
家族で遺跡見学に行くには、交通費が大きな負担になり、
(遺跡入場料は、カンボジア人は無料です)
また、生活に余裕のない農村地帯では、遺跡どころではないのが現状です。
さらに、一般のカンボジア人に、遺跡や歴史に対する正確な知識はほとんどありません。
そのようなカンボジアの状況を背景に、
私たちJSTでは、この、地元の小学6年生を対象にした
「アンコール遺跡社会見学会」プロジェクトを始めたのです。
バイヨン寺院の歴史や宗教、彫刻に刻まれた物語について、実に真剣に見、説明を聞く姿が見られました。
当のバイヨン寺院が、いつも以上にあたたかく迎えてくれているように見えたのは
私だけでしょうか・・・・。
遺跡見学終了後は、学校に戻って、1人1人にお弁当を配りました。
皆、満面の笑顔でお弁当を受け取り、さっそく教室で食べ始めます。
お弁当、おいしかったかな?
今回の社会見学会を御支援くださった、常滑ロータリークラブの皆さん、ありがとうございました!
(よ)
10月19日、愛知県の常滑ロータリークラブのご支援を受け、
「第6回 子供たちのためのアンコール遺跡社会見学会」が行われました。
今回の対象校は、シェムリアップ州教師養成学校付属小学校。
6年生73名と先生3名が参加しました。
見学会の内容は、まず、バイヨン・インフォメーションセンターでのアンコールの歴史説明。
その後、バイヨン遺跡修復現場にバスで移動し、修復専門家による修復作業説明と修復現場の見学です。
最後に、参加した生徒にお弁当をひとつずつ配り、社会や歴史に関する書籍を学校に寄付しました。
バイヨン・インフォメーションセンターにて、懸命にメモをとる子供たち。
(写真左の一番右に半分写っているのが、今回、感想文↓を書いてくれたソケインさん)
←バイヨン遺跡修復現場前で、遺跡修復の専門家の話を聞く子供たち。
版築土を着き固める作業では、"ぞうの足"と呼ばれる棒で、実際に作業を体験してみる生徒も。
最後に、修復専門家に教えてもらったことをおさらいしてみました。
**************************************
今回は、2ヶ月前からJSTスタッフ見習いとなったソケインさんに見学会に参加してもらい、日本語で感想文を書いてもらいましたので紹介します。
「子供たちのための社会見学会に参加して」 ソケイン
私は、仕事の経験がぜんぜんなかったので、小出さんとノールさんは、小学生たちといっしょに、私をバイヨン・インフォメーションセンターとバイヨン遺跡へ連れて行きました。
私も行けてうれしかったですが、何も分らなかったので、心配でした。
しかし、バイヨン・インフォメーションセンターに着いて、いろいろなことを見て、好きになって、そういう仕事をもっとしたいと思いました。カンボジアの遺跡の歴史がよく分ったら、外国人や、分らないカンボジア人も案内してあげたいからです。とくに、若い学生たちにわかってほしいです。
バイヨン・インフォメーションセンターの見学が終わって、バイヨン遺跡に行きました。
私は、遺跡を発掘する作業は見たことがないけれど、こわれた遺跡を直すのを見て、とてもたいへんだと思いました。そして、わかい人に遺跡の大切さをわかってもらい、大切にしてほしいと思いました。
もし遺跡をきれいにすれば、多くの外国人が来るため、町に仕事がいっぱいでき、仕事がない人は減ると思います。
バイヨン・インフォメーションセンターとバイヨン遺跡へ行けたことは、とてもよいチャンスでした。なぜなら、ビデオ上映を見ることができるし、バイヨン遺跡修復現場を見ることができるからです。
学生たちは、説明を聞きながらメモを書いていました。
私はそれを見て、うれしく思いました。
そして、私も、自分の仕事をがんばって働いて、もっと勉強したいです。
学生たちと見学会に参加させてくださり、ありがとうございました。
前回のワットダムナック小学校に続き、2週連続で小学生のための社会見学会を実施しました。
今回の参加者は、JASAオフィスやCafe MoiMoiにもほど近い、「シェムリアップ師範学校」の6年生たちです。この師範学校は、日本で言うと、教育大のような役割を持っていて、高校を卒業してこれから先生になる学生たちを教えるための学校です。師範学校内には、小学校も併設されていて、教育実習のような内容も学内で行えるようになっています。その小学校から、6年生79名と先生2名に参加していただきました。
小学校によって、子供たちのカラーが異なり、いつも新鮮な社会見学会。
今日はどんな子供たちが来るのかと、バイヨン・センターで楽しみに待っていた5月27日の朝。そこに、なだれを打ったような子供たちの足音が!窓の外を見ると、子供たちが我先にとセンターに駆け込んできます。
「ん??いつもと違うぞ。なんだこの勢いは?!」とセンタースタッフと訝しがっていると、小学校まで迎えにいっていた別のJSTメンバーが「今日の子たちは元気だよ~。」と笑っていました。
4回目となる社会見学会にすっかり慣れているベテラン・ソパリーと、2回目で余裕が出てきた見習い・タウリーの二人組が、子供たちにセンターの説明を始めます。2人の呼び掛けに、子供たちの反応がこれまでよりもさらに元気で、質問も自然に出てきて、説明する側も楽しそうでした。
やんちゃ坊主たちの中には、説明を待ち切れずに先に進む子も。センタースタッフの説明のまねをしています。さらに、修復の道具を発見し、ノミを握って石材を彫る手つきをしてみたりも!
その中に一人、熱心にメモを取る少年が。行きつ戻りつしながら、他の友達が移動してしまってもパネルにかじりついています。
「歴史が好きなの?」とクメール語で質問すると、はにかみながら「Yes!」と英語で力強く答えてくれました。
この学校では目の不自由な生徒たちも、点字の教科書を使って一緒に勉強しているそうで、社会見学会にも一緒に参加してくれました。説明だけではわからないだろうと思われる彫像や陶磁器には、特別に実際に手で触れてもらいました。
そして、元気な師範学校の子供たち待望の修復現場へ!(子供たちの期待が高まりすぎて、センターを出る前に注意事項を話す間に2度もフライングして走り出すというハプニング付き。)
この日は、日本からJASA中川団長も現場を訪れており、「この中から次世代の修復専門家が現れてくれることを期待しています。」と呼びかけました。
子供たちの好奇心は留まるところを知らず、専門家の問いかけにも大きな声で答えます。最後の質問タイムには、真剣な顔の質問が、予定の時間を過ぎても続きました。
「ラテライトと砂岩はどう違うのですか?」との質問には、
「実際に触ってごらん。ちょっとだけ水をかけて様子を見てごらん。」と現場だからこそできる五感で遺跡を感じる体験をしてもらえたと思います。
歴史少年も夢中です。
帰りのバスの中ででは、「遺跡の修復で働きたい人~」という問いかけに7,8人の手が挙がりました。その中には、あの歴史大好き少年の姿も、ノミを握っていたやんちゃ坊主の姿もありました。
さらにセンタースタッフが子供たちに、もともとガイドをやっていたことを話すと「私もガイドさんになりたい!」と今度は女の子たちの手が挙がりました。
その後は、センタースタッフとの間で
『ガイドさんになりたいから、バイヨン・センターで勉強できますか?』
「もちろん。カンボジアの人はいつでも無料だから、みんなで遊びに来て。」
『ガイドさんにはならないけど、歴史が好きだから本を読みに行ってもいいですか?』
「もちろん、本も読めるよ。わからないことがあったら、私たちと一緒に勉強しよう。」
『一人だけでも行ってもいいですか?教えてくれますか?』
「私たちがいつもいるので、学校が終わって時間があるときは来ていいよ。」
・・・・
とほほえましい会話が続き、『地域教育の拠点となる』というバイヨン・インフォメーション・センターの目標の一つに大きく近づいたことを実感する一日となりました。
そして、最後は待望のお弁当タイムです。お疲れさまでした~。
(一番右の帽子の少年が、将来ノミを握る職人になりたい、やんちゃ坊主です。)
この日の社会見学会は日本の企業や一般の方々からのいくつかの寄付を併せて、催行されました。
(ま)
5月20日(木)
3回目を迎えた、シェムリアップ地域の小学6年生を対象にした社会見学会。
今回は、シェムリアップの町の中心部にある、ワット・ダムナッ小学校の6年生75人(先生2人を含む)を対象に行われました。
朝7時15分。
私たちがマイクロバス3台とともに学校へ向かうと、生徒たちはきちんと整列して、静かに先生のお話を聞いていました。
まずは、JST代表のチア・ノルが、概要を説明します。
実は、このワット・ダムナッ小学校は、チア・ノルの母校でもあるのです!
とはいえ、チア・ノルが小学3年生のときにポル・ポト政権が始まり、カンボジアの教育制度を含むそれまでの社会制度はすべて崩壊したため、卒業をすることはできなかったのですが・・・・。
チア・ノルおじさんがぼくたちの大先輩!と知り、皆の間から歓声があがりました。
ちょっとなごやかな雰囲気になったところで、さあ出発!
バイヨン・インフォメーションセンター到着です!
JSTスタッフのソパリーとタウリンから、歴史と遺跡修復についての概要説明を受ける生徒たち。
パネルやビデオの説明を聞きながら、熱心にノートをとっています。
笑顔だけでなく、"真剣な顔"もハンパじゃないカンボジアの子供たち!
一生懸命、説明を理解して、吸収しようという姿に、こちらも魅了されてしまいました。
9時半。バイヨン寺院到着。
ワット・ダムナッ小学校は、町中に住む生徒が多く、バイヨン寺院もほとんどの生徒が、今まで訪れたことがある、とのことでした。
「小学校を卒業したら、中学校へ行く予定の人!」・・・全員が手を挙げました。
高校は?大学は?・・・・ほとんどすべての生徒が手を挙げていました。
農村部の小学生とは違い、勉強に対する意識が高いことが伺えます。
「将来の夢は?」と聞くと、一番多かったのが医師や看護師、次が建設関係、そして、先生などなど。
そして、遺跡修復チームのカンボジア人専門家、ソティ氏の説明が始まりました。
ほとんどの生徒たちは、ノートを取りながら真剣に聞いています。
ところが!!
何人かの生徒は、明らかに「だるい。興味がない。」という顔をして、少し離れたところに座っていて、とても違和感を感じました。よくみたら、女子生徒などは化粧をしているようで、6年生にしてはかなり大人びて派手な雰囲気です。
後で先生に聞いてみたところ、
「背の低い生徒たちは、留年せずに6年生になった生徒で、勉強に対して、皆、とてもまじめで意欲的。
一方、体格の大きな生徒たちは、14歳、15歳くらいの子で、何年か留年して6年生になったた生徒。」とのこと。
父親の転勤で、田舎の小学校から転校してきた生徒もいて、町のレベルについていけなくて、最初から学年を下げて入ってくる子もいるそうです。
ワットダムナッ小学校は、寺院の敷地内にあるとはいえ、その寺院の向いには、シェムリアップで一番人気のディスコがあり(現在は、シェムリアップでディスコやカジノの経営は禁止されています)、外国人観光客が夜遅くまで行き来するシェムリアップの中心部とも目と鼻の先。
そんな、町中の小学校ならではの問題も垣間見られました。
ソティ専門家の説明後は、遺跡修復現場内の見学です。
最近、JSTのスタッフとなったタウリン嬢も子供たちの質問に答えています。
・・・・・・・・こうして、ワット・ダムナッ小学校の社会見学会も無事に終わりました。
小学校に戻った子供たち。
JSTからは子供用の歴史や自然保護についての本を贈呈。
さらに、お弁当も!
木陰で仲良くお弁当を食べる子供たち。
皆、「とても楽しく、勉強になりました。ぜひ、また行ってみたいです。」と元気に答えていました。
最後に、先生から感想をいただきました。
生徒は、皆、熱心に話を聞き、堂々と質問をする子もいて、とても頼もしく思いました。
普段の授業では見られない生徒の一面も見ることができ、感動しました。
皆、とても喜んでいます。
さらに次の企画があれば、ぜひ、ワット・ダムナッ小学校の生徒を誘っていただきたい。
JSTをはじめ、支援をしてくださっている日本の皆さんには、たいへん感謝申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・後日、生徒たちの感想文が届くことになっています。
このブログでも紹介したいと思いますので、お楽しみに!
(よ)
このプロジェクトは、東京新橋ロータリークラブ、東京レインボーロータリークラブの皆様から御支援をいただき、(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っている活動の一つです。
こんにちは、インターン生の瀧です。
アンコール・クラウ村で子どもたちの調査に行っている今日この頃・・・。
今日はその子どもたちがクラウ村を抜け出して、バイヨン寺院に社会化見学にやってきましたーー!
この社会見学会はJSTが、子どもたちに自分の国の素晴らしい遺跡に興味をもらってもらいたい!ということで始めた試み。
今回はバイヨン寺院の隣にあるクラウ村から小学校6年生の子どもたちを招きました。
まずはこのクラウ村の子供たちに遺跡、そして修復とはなにかを知ってもらいましょう!!
それでは私、瀧が早速!社会見学会をレポートしたいと思います!
朝の7時半。子どもたちが続々と集まり始め、8時にはバイヨン寺院内へ移動します。
遺跡内に入った子どもたちはきょろきょろしっぱなし。
きっと初めてバイヨン寺院に入った子どももいるのでしょう。
子どもたちをJASAが修復を行っている南経蔵の脇に連れてきました。
まずは修復の方法や、工程についてJASA修復専門家ソティーさんからのお話。
写真や図面が出てきた途端、子どもたちも興味を持ち始めました!
ソティーさんのお話の後は実際に遺跡現場を見てみます。
彼らの中にはお父さんが遺跡の修復現場で働いている子どもも多いのです。
そんなお父さんの職場を見ながら子どもたちはどんなことを思っていたのでしょうか。
興味を持った子どもたちは最後まで修復現場でソティーさんのお話を真剣に聞いていました。
修復現場の見学が終わった後は場所をバイヨンインフォメーションセンターに移します。
移動手段は・・・
なんと!トラックの荷台!!!
日本だったらびっくりな光景ですが、子どもたち、とっても楽しそう♪
バイヨンの南大門をくぐった時には歓声も聞こえてきました!
ちなみにこれはJASA遺跡修復現場用のトラックです。
そんなこんなにバイヨンインフォメーションセンターに到着です。
子どもたちにはまず、バイヨンについての映像を見てもらいました。
その後はインフォメーションセンターのカンボジアスタッフ、看板娘のお二人に案内をお任せしました。
ウォーリャさん組と
ソパリーさん組の
二手に分かれて子どもたちに説明をしました。
子どもたちもパネルに次から次へと目を通していっていました。
そんなこんなで子どもたちの社会見学会も無事終了!
またトラックの荷台に乗って帰っていきました!
笑顔だったところを見ると、楽しんでくれたかな!?
少しでも遺跡のことを楽しく知ってもらえて、興味を持ってもらえたら。
そして遺跡の修復も親から子へと受け継がれるきっかけに、
この社会見学会がなってくれたら嬉しいです!!
以上、レポートでした!!!
バイヨン・インフォメーション・センターのもう一人のスタッフ。年長のウォーリャッは、社会見学会を同じように楽しみつつ、同時に少し違う視点でこの見学会を見ていました。
それは、チェイ小学校の生徒たちから感想文が届いたときのこと。
生徒からの感想文のひとつひとつを日本語に訳してね。と頼んだ日の午後。
翻訳を担当していたウォーリャッから渡されたのはA41枚だけ。
「これだけ?」と聞くと、「この文章、先生の分も学生の分も、ほとんど内容が同じです・・・。」との返答。
カンボジアの学校では、「先生が絶対に正しくて、偉い」という根強い考え方があります。
おそらく、今回感想文を書くときに、先生が「先生はこういう感想文を書いたよ」と見本を示したのではないでしょうか。そのため、子供たちは「これがいい作文なんだ」と、それに倣って書いたのだと思われます。
ちょうどこの感想文が届く数日前に、「日本語を教える人のための作文講習会」に参加していたウォーリャッとソパリー。特に、2年間日本語学校で日本語を勉強し、日本語スピーチコンテストでの優勝歴も持つウォーリャッは、自分の経験から照らしても、ちょっとした違和感を感じたようです。
「日本の作文のやり方と、カンボジアの作文のやり方は違いますね・・・。カンボジアはまだまだです。」とため息をつく姿をみて、ちょっと思い立ち、「何か違う、という感覚を作文にしてみたら?」と課題を出しました。今日は、その結果出てきた文章をご紹介します。
☆☆☆チェイ小学校の学生の感想文について☆☆☆
『来てよかった!』というような表現が感想文で見えました。私、自分の学生だった時代の気持ちで考えたら、学校での授業だけはなんとなく勉強した内容にあまり気が付かなくて、よく分からないと感じました。日本のことわざに例えますと『百聞は一見にしかず』です。皆の感想文によりますと、説明した内容をよく理解してくれたことを感じました。子供だから黙って、熱心にやらせるよりも楽しみながらやってもらった方が効果的でいいと思います。今回の社会見学会のように子供が見たことがないことを見せたり、触らせたりして、学校と全然違う雰囲気、本当の人間の社会になじませることはこれから他の学校の学生にもやってほしいです。
『感動して泣きたいほどだ!』、『先生、これが最後のチャンスだろう!』という声が皆が書いた文章からなんとなく聞こえてきているような気がします。文章にはその時の子供の気持ちや感じた事の文が書いていなくてもクメール人同士の私は行間まで読むことができました。外国人には伝わりにくいなあと思いますが、なぜかというと私も実際に田舎の学生の世代を体験したからです。それで、ぶんしょうで子供が感じたことや表現したい気持ちを理解できるのです。
そのために今回の子供たちが書いた感想文はせっかく日本人のような世界の人々に読んでもらうので、もう少しかわいらしい子供の自己表現の作文の方がいいと思います。内容的には皆の書いた文章でいいですが、一つ一つ読んでいくとそれぞれの人のものなのに、形や言葉使いなど同じように見えるので、やっぱり決まった形の文章のとおりに書いた作文だなあと感じてしまいました。それは先生方は完璧な作文を子供に書いてほしいからと思って、かえって作文が面白くなくなりました。なぜかというと本当の子供の伝えたい気持ちが何か足りないからです。
そういうわけで 子供達に自分の好きな構成、スタイル、形、言葉などで書かせた方が
面白いのではないかと思います。しかし、感想文がこう言った欠点があるといっても、ほとんどの学生がちゃんと説明を聞いてくれて、とても嬉しいです。そして授業として教室の中だけではなく色々なことを子供に体験させることは最高な勉強だと感じ始めました。井の中の蛙のように社会のことをあまり知らないかわいそうなカンボジアの子供のためにたくさんチャンスを作ってあげたいなあと思います。
オン・ウォーリャッ
☆☆☆☆☆
作文を作ってみたら?と勧めた当初、ウォーリャッは「チェイ小学校の先生が見たら、気を悪くするかもしれない」と心配していました。しかし、大切なのは自分で気づいたことを、自分の言葉で表現すること。と伝えると気が楽になったようです。
伝統と年長者と、蓄えられた知識を重んじるカンボジアの気風は大切にしながらも、その中にキラリとひかる個性や、新しい風を吹き込んでいく。先日紹介したチャム・ランくんの感想文は、ほかの人とは違う面白い文章がありました、とウォーリャッが選んでくれたものです。
都市部の周辺では、比較的教育環境が安定してきた今、カンボジアの教育にも新しい局面が求められています。JSTの社会見学会が、子供たちにとって新たな扉を開くきっかけの体験となるように、今後も継続的に実施していきたいと思っています。
今回の社会見学会は、紀南ユネスコ協会様からのご支援によって実現しました。ご支援いただいた皆様、どうもありがとうございます。
今後もこういった子供たちに遺跡に触れる機会を提供していきたいと思っています。
(ま)
先日はチェイ小学校、社会見学会の子供たちからの感想をご紹介しました。社会見学会を通して、子供たちはそれぞれ、新しい情報に驚き、遺跡について間近で学ぶ機会に感動する様子が伝わってきましたが、同時に、案内を担当したJSTのカンボジア人スタッフにも、それぞれ思うところがあったようです。
今回はまず、バイヨン・インフォメーション・センターを案内したソパリーが社会見学会の報告として書いた文章を紹介します。2009年7月から新たにJSTの仲間入りをしたソパリー。スタッフの中でも最年少で、未だに10代のような陽気さを持っている彼女は、この日何をどう感じたのでしょうか。
<今回の社会見学会の感想>
2009年11月19日(木)にチェイ小学校の小学生60名と先生方3名が社会見学としてバイヨン・インフォメーション・センターにお越しになりました。アンコール王朝の発展歴史や日本国政府やアメリカやフランスチームなど、様々な国際チームによって行われているアンコール遺跡の研究、保存、修復、に関してセンターのガイドとして案内しました。
説明が終わってから、子供たちはよく勉強したと感じました。特に、皆さんが一生懸命聞いたり、メモしたり、質問したりという活動が見えたのは案内役として感動しました。
子供たちにかんたんな内容やふくざつでない言葉を紹介しただけでなく、ジャヤバルマン7世やバイヨン寺院に関する映像も見せ、ぜんぶわからなくても半分くらい理解できたような気がしました。皆さんに提供した知識は適切に受け入れられて本当にいい勉強になったと感じました。
クメール人の原点や遺跡を建立したとくしゅな技術や信仰などを少しずつ分かってもらえました。
私たちはカンボジアに生まれたカンボジア人としてその修復技術をほこりにしています。それで国がだんだん発展していくように頑張ろうと思っています。カンボジアに住んでいる若い人でも年配の人でも独自の文化、文明、歴史、自分の原点、世界遺産という国の宝物をよく理解することがとても大切だと思います。
カンボジアは小さくて発展途上国ですが、世界中の人々に知ってもらいたいです。
今後、社会見学があったら今回のように計画を立てればいいのではないかと思います。若い人に知識やいろいろなニュースを伝えるようにできるだけ毎月1回行って、もっと長い時間で行えるようになったら良いと思います。
ソパリー
まだ若く、子供たちに一番近い視点でこの見学会を見ていたソパリー。
最後の「カンボジアは小さくて発展途上国ですが、世界中の人々に知ってもらいたい」という文章に、一番小柄だけれど、日頃から人一倍明るく、日本語の足りない点も失敗も、笑って陽気に越えていくソパリーらしさが表れているようです。
また、ソパリー自身もコンポンチャム州という、どちらかというと田舎の出身です。だからこそ、自分がこれまでセンターで勉強してきた知識を子供たちに伝えていくという仕事に大きな意味を感じたのではないでしょうか。
ソパリー自身もまだまだ発展途上。いずれはこういった見学会や新たな企画の運営をソパリーたち、インフォメーションセンターのスタッフが自分たちでできるようになれば、より多く子供たちに伝えていく機会が生まれるのではないかと期待を持っています。
(ま)
11月19日に実施した、最初のJST主催社会見学会(JSTブログ「カンボジアの子どもたちの社会見学、始めました!」参照)に参加したチェイ小学校の6年生たちから感想文が届きました。先生と生徒たちから届けられた感想文には、この社会見学で学んだ歴史や遺跡にまつわる事実や、修復チームへの感謝の言葉が、びっしりと細かい文字で書かれていました。
今日はその中でも、特に個性的だったチョムラン君の感想文をご紹介します。バイヨン・インフォメーション・センターのスタッフであるVoleakがクメール語から日本語に訳してくれました。
☆☆☆☆今回の社会見学の感想☆☆☆☆
2009年11月19日に、チア・ノル氏のもと、社会見学として『A』グループの学生や先生方とバイヨン・インフォメーション・センターや修復現場やバイヨン寺院を見学させてもらいました。
私たちはチア・ノル氏にセンターについて紹介してもらいました。最初に、ジャヤバルマン7世とバイヨン寺院についてまとめたDVDを見ました。印象に残って、本当によかったと思います。それを見られるのは私の人生の中で最後のチャンスかも知れない、と思います。「あっ!バイヨン寺院てこういうものなんだ!先生、また行けるかなぁ・・・。あるいは、今回が最初で最後になるんだろうか・・・。」
勉強のチャンスができて、本当に泣きたいほど感動しました。私の最後のチャンスだと思うからです。
それから、それぞれの古い時代について説明してくれました。フナンと真臘という古い時代があります。私はまだ生まれていなかったけど、11月19日の勉強会のおかげで、「これがジャヤバルマン7世だよ。」ということがわかりました。そして、アンコールの歴史も教えてくれました。アンコール・トムの南大門とか、尊顔が173面も残っているということなどを説明してくれました。
アンコール時代って、私の祖父、父、母でもまだ生まれていなかったけど、両親がきいたことを少ししか教えてくれなかったのです。でもバイヨン・インフォメーション・センターで聞いた内容と合わせて、なんとかわかるようになりました。だから、この勉強会を1日中にのばしてほしいなぁと思います。
その後5枚の絵をくれました。さらに、それらが何の絵かも教えてくれました。1、アプサラ 2、魔王ラヴァナ 3、チャムの兵士 4、シヴァ神 5、一般の兵隊と家族の絵です。
そして修復現場に連れて行ってもらいました。そこで版築土の再現工法やひとつひとつの土の種類を教えてもらいました。1、砂 2、粘土 3、赤土 4、消石灰 です。
私はバイヨン寺院に深く興味を持つようになりました。もし、いつかこういうチャンスができたら、先生方に勉強時間を延ばしてほしいです。今回は時間が少なかったので、先生たちは早口で説明したから、あまりわかりませんでした。カンボジアで生まれたことを誇りに思っています。そして、カンボジアの遺跡の保存のために日本の政府が自分の時間や財産をつかって修復してくれることに感謝しています。最後に、このツアーに朝ごはんや昼・夜ごはんをつけてほしいです。
最後に、先生や皆様方が長生きで、何をやっても成功できるように祈っています。
ありがとうございました。チャム・ランより
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
文中に登場した「5枚の絵」とは、バイヨン・センターのスタッフが作成したぬり絵のことです。
JASAが2000年代の初頭に記録したバイヨン寺院の内回廊にある浮き彫りの中から、子どもたちの興味を引くような題材を選んで、簡単なぬり絵にしました。子供たちが家に持ち帰って、その日に学んだことをもう一度思い出してくれるように、という目的で作ったぬり絵の話題が登場し、スタッフたちの思いが通じたようです。
チャム・ラン君からの感想文を読んでいると「これが最後のチャンスかもしれない」という言葉が繰り返し出てきます。カンボジアの子どもたちにとって、自国の文化財がどれほど遠い存在であるかが、この言葉に表れているような気がします。
もっともっと、たくさんの子どもたちに、遺跡に触れ、知ってもらう機会を提供したい。
それが現在のJSTの願いです。
2010年には、このような社会見学事業を、バイヨン・インフォメーション・センターを中心に展開していきたいと考えています。
(ま)
11月19日(木)
カンボジアでは、ほとんどの子供たちが、まだ一度もアンコール遺跡を訪れたことがありません。
日本のように、小学校、中学校に、遠足や社会見学授業などの教育プログラムがないカンボジアでは、アンコール・トム遺跡に隣接している村であるアンコールクラウ村の中でさえ、遺跡にまだ一度も行ったことがない子供たちがいるほどなのです。
一生に一度、アンコール・ワット詣でをするのが夢、というのが一般の、特に農村部のカンボジア人の姿なのです。
ましてや、体系的にアンコールの歴史や文化遺産について、また遺跡を守る人々について教わる機会はほとんどないと言っていいでしょう。
そこでJSTでは、アンコール遺跡保存修復チーム(JSA)の専門家集団が母体となってできたNGOならではの、かねてから温めていた企画である、小学6年生を対象とした「カンボジアの子供たちのためのアンコール遺跡 社会見学」を始めることになりました。
今回はその第1回目。
西バライ近くにあるチェイ小学校の6年生60名と先生3名を招待しました。
朝7時15分。
JST代表のチア・ノルがチェイ小学校に到着すると、すでに参加する60名の6年生たちは、背の順に2列に整列して、先生のお話を真剣に聞いているところでした。
出席する生徒の名前はリスト化されており、3台のチャーターバスのうち、誰がどのバスに乗るかまで、すでに決められていました。これなら安心です。
チアも生徒の前で一言。今日の日程と目的、注意事項などを話しました。
「アンコール・ワットへ行ったことがある人!」生徒60人に聞いたところ、38人が行ったことがあるとのこと。バイヨンへ行ったことがある生徒は12人程度でした。
アンコール・ワットまで、現在は、快適な舗装道路を通って、車でなら15分ほどで行けるこの地域でさえ、この数字なのです。
7時30分
バス3台に別れて、チェイ小学校を出発します。
8時
JSTが企画・運営しているバイヨン・インフォメーションセンター
(http://www.jst-cambodia.net/baiyon/cat28/)到着。
60名の生徒は、私語もなく、きちんと整列して施設内に入っていきます。
ちょっと緊張気味かな?
まずは、バイヨン遺跡についてのメインビデオを皆で見、2つのグループに分かれ、バイヨン・インフォメーションセンターの案内人であるヴォーリャック嬢とソパリー嬢にそれぞれついて、パネルや遺物などの説明を順に受けていきました。
このチェイ小学校、校長先生が特に教育熱心で、日曜など学校が休みの日でも、校長先生一人でもくもくと校庭内の補修や作業をしたりしている他、野菜栽培、日本語教室、アプサラ伝統舞踊の教室など、子供たちの課外教育も盛んなよう。
他のカンボジアの小学校とちょっと違うのではないかという印象を持っていましたが、さすが、子供たちの学習意欲もかなり高いようです。
9時過ぎ
再びチャーターバス3台に乗り込み、バイヨン遺跡南経蔵の修復現場へ。
9時半
いよいよ遺跡修復現場に到着。
まずは、カンボジア専門家のプロス氏による説明です。
暑い日差しを受けながらも、皆、真剣に説明を聞き、ノートにメモをとっています。
通り過ぎる外国人観光客も、あたたかい眼差しで、カンボジアの子供たちを見守っているようです。
さて、次は一般の観光客は立ち入り禁止となっている南経蔵の修復現場へ。
そびえる単管足場と、大きなラテライト石を間近に見ながら、少しこわごわと現場に入っていきます。
そして、遺跡修復のチーフであるソティ氏から修復の手順や過程を、写真を見ながら説明を受けていきます。
ポイントとなるところは、繰り返し復習し、皆、修復について、よく理解したことでしょう。
様々な質問も飛び交っていましたね。
最後に皆で足場の上に上り、上部が解体され修復作業が続いているバイヨン南経蔵を上から眺め、クレーンによって石を吊り上げる様子も見学することができました。
11時半
ちょっと後ろ髪を引かれる思いで、遺跡を後にします。
途中、用意されていた人数分のお弁当を受け取り、チェイ小学校へと戻ります。
皆、どんなことを感じ、考えたでしょうか?
後日、学校から感想文が届くことになっていますので、このブログ上でまたご紹介したいと思います。
今回のチェイ小学校6年生対象の社会見学は、和歌山県の紀南ユネスコ協会様からいただいた「カンボジアの子供教育」のための寄付金を使わせていただきました。
JSTでは、今後、この「カンボジアの子供たちのためのアンコール遺跡 社会見学」を中心活動の一つとし、まずは地域の小学6年生を対象に、継続的に続けていきたいと考えています。
アンコール遺跡にまだ行ったこともない多くのカンボジアの子供たちが、自国の文化を少しでも理解し、自分達の祖先が築き上げた文化的遺産を次世代に引き継いでいくきっかけになることを願って・・・・。
(よ)
かなり情報にタイムラグが出てしまいましたが・・・
アンコールクラウ村遺跡修復講座、第三回は、JASA考古班エキスパートのコー・ベットさんによる『考古学講座』を実施しました。(開催日:6月27日)
この日の授業は考古学。コミュニティセンターに集まった子供たちにとっては、「こ・・こうこがく・・・??」やまなみフリースクールの黒板を利用して、Power Pointを設置する我々を興味津津、でもちょと不安な?ドキドキの表情で見つめています。
本日の先生、コー・ベットさんは1997年からJASAに考古班員として参加。その後、日本で7年間の留学を経て、博士号を取得し、現在はプノンペンの王立芸術学院でも講師を務めています。
パワーポイントに映し出される内容も、「まず、そもそも考古学とは・・・」となにやら大学の講義のようです。
う~ん、子どもたちにわかるかなぁ・・・というこちらの不安をよそに、続いて登場したネアンデルタール人の写真や、カンボジア以外で発掘された人骨のスライドに、子どもたちから「きゃ~」「おおぉ」「サルだ・・・」などさまざまな反応が。はじめは"お勉強"を警戒して腰が引けていたのに、いつのまにか身を乗り出しています。
この日の講義は、考古学という学問がどんなものなのかを伝えるため、人類のルーツから始まり、人々の住居の跡の発掘などへと展開していきます。そして最後に、じゃあこの考古学を活用してバイヨン寺院でどんなことをしているかというと・・・、と実際にJASAが行っている修復現場での発掘の写真が登場しました。
考古学という、今まで聞いたこともなかったような世界にちょっとだけ触れた子供たち。大きいお兄さんお姉さんは一生懸命ノートをとり、小さい子供たちはぽかーんと口を開けて、次々に出てくる写真に見入っている。
さすがに君くらいのちびっこ勢にはちょっと難しすぎるか・・・苦笑
きっと子供たちにとっては、村の中の普段の生活とはかけ離れた、異世界の話のようだったでしょう。
ちょっとおもしろそうだなぁ、と思った子も、ぜーんぜんわかりませんでしたという子もいるでしょう。
でも、大事なのは今すぐに理解する、ということだけじゃなくて、こういう環境が子供のときにあった、ということ。もう少し時間がたって大きくなってから、あのときのあの話、おもしろかったな、と興味が湧いてくること。
今はみんなが知らず知らず、記憶の宝箱のなかにしまっておけばいいのです。いつか大きくなってその宝箱を開けたとき、その中にたくさんの違う種類のおもしろそうな記憶の断片が詰まっていれば、その中から自分の一番面白いと思う、好きになれそうなものが選べるはずです。
だから、いまのうちに、いっぱい蓄えておいてネ!
(ま)
4月7日(火)
アンコール・クラウ村の子供たちを対象にした遺跡修復講座の2回目は、実際の修復現場の見学会でした。場所は、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)が現在修復活動を行っているバイヨン遺跡の南経蔵。
今回は、約50名の子供が参加しました。
修復現場で使うユニッククレーンに乗って颯爽と現れる村の子供たち。
皆で一緒に遺跡修復現場の見学会、ということで、どの子も少し興奮気味。さらに、いつもとどこか違う・・・と思ったら、皆、シャワーを浴びて、いつもよりきれいな洋服を着て、こざっぱりとしています。
遺跡を背にして、左からソティ(JSA修復チーム専門家リーダー)、チア(JST代表)、サオ・サム棟梁(JSA修復チーム棟梁)。 サオ・サム棟梁は、1960年代からアンコール遺跡修復に携わってきた修復の大ベテラン。フランス、インド、ハンガリーの各修復チームを渡り歩き、15年前からJSAの遺跡修復棟梁として、現場に泊まり込みながら、すべての修復作業員をまとめているJSA修復チームの"ぬし"のような存在です。
まずは、バイヨン南経蔵修復現場前で、修復チームのカンボジア人リーダーであるソティ氏から概要説明を受けました。
ソティ氏の説明の後は、まさに現在、解体作業が行われている最中の南経蔵へ。中心部の版築層、版築層周りのラテライト構造体、そして砂岩の化粧材とで南経蔵がつくられているということが一目でわかる生の解体現場を見るのは、子供たちももちろん初めて。修復専門家として15年の実績をもつソティ氏が、今日は、子供向けにわかりやすく、噛み砕いて説明してくれます。
子供たちは足場を移動し、さまざまな角度から、解体された南経蔵に見入っていました。
この頃になると、最初の緊張感もほぐれ、皆、屋台で買ったジュースを飲んだり、かき氷を食べたりしながら、リラックスムードで修復現場を見学しています。
見学場所で説明者の話を聞きながらジュースを飲んだりお菓子を食べたりするなんて、日本の見学会ではご法度!だと思いますが、小学校校庭内の屋台で売っているお菓子や飲み物を、休み時間に生徒が買って食べるのが普通、というここカンボジアでは、ごくごく当たり前の光景のようですね。
接着剤を使った劣化石材の補修作業場では、子供たちが実際に作業を体験する場面も。
子どもたちの質問に答える作業員。同じ村の青年なので、皆、気軽に話しかけています。
中には、自分の子供が見学に来ているという作業員もいて、ちょっと照れくさそう。でも、いつもより真面目顔で仕事をしているので、仲間に笑われていました。
石彫作業に興味のある子どもたちは、作業の様子をじっと見つめていました。
南経蔵上部構造体の仮組現場です。サオ・サム棟梁と同じく、1960年代から遺跡修復に携わってきたチン・ダオイ副棟梁が、子供たちに作業手順を説明しました。
目地と目地とがぴったりと擦り合わされて積み重ねられた、アンコール遺跡の化粧砂岩。建設当時は、どのようにして加工されたのでしょうか?
その一つの方法として、バイヨン外回廊に彫られている建設当時の風景のレリーフをもとに、 "石材加工器"が作られていました。
再現作業が始まります。
最初は摩擦で動かなかった石も、石と石の隙間に水を流し込むと、滑らかにスライドして動きだしました!こうして、石の表面を最終加工していたのですね。
こうして、村の子供たちの興奮醒めやらぬまま、はじめての遺跡修復現場見学会が無事に終了しました。
子どもたちのみならず、遺跡修復作業員にとっても、自分たちの仕事の意義と誇りを再認識でき、とても意義深い一日となりました。
遺跡修復チームのカンボジア人専門家からも大好評で、次はぜひ考古学発掘の実演を子どもたちに見せよう、いや次はバイヨン遺跡やアンコール・ワットに彫られているレリーフの説明を、などと新企画案が次々と出てきました。
JSTでは、今後もこのような、JSTならではの企画を実施していきたいと考えています。
(よ)
アンコール・クラウ村コミュニティーセンターで、念願の第一回遺跡修復講座を開催しました。
対象は、クラウ村の子供たち。自分たちの身近にある文化遺産(アンコール遺跡)について、まずは村の子供たちに知ってもらおうというのが主たる目的です。
しかしそれだけでなく、将来、その子供たちの中から、遺跡修復事業を担う人材が育ってくれれば、という私たちJSTコアメンバーの期待も存分に込められています。
その遺跡修復講座の記念すべき第一回目。
私たちが村へ到着すると、すでに約180人の村の子供たちが集まっていました。これから何がはじまるのだろう・・・。子どもたちの熱い期待が感じられます。

今回の講師は、JSTコアメンバーでもあり、遺跡修復チームカンボジア人専門家のチーフを務めるソティ氏。
まずはソティ氏から子供たちにさまざまな質問。
お父さんやお兄さんなど家族がアンコール遺跡修復にかかわっている人は手を挙げて!(→約半数くらい)
その中で、フランス隊で働いている人は?中国隊は?ドイツ隊は?日本隊は?
アプサラ(カンボジア政府によるアンコール地域保存整備管理機構)は?などなど。
そして、子供たちに投げかけた数々の質問から、アンコール遺跡のほんの目と鼻の先に住みながら、自分たちの祖先が残してくれた文化遺産の価値を知らないだけでなく、遺跡にほとんど行ったこともないような子供も多数いることがわかりました。
そこで、アンコール遺跡と村の生活のつながりを説明するソティ氏。
遺跡があることによって得られるもの、そしてそれをそのまま放置していたらどうなるか・・・・。
その上で、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)をはじめ、各国遺跡修復チームは、カンボジアの次の世代に、我々の文化遺産を残すためのとても重要な仕事をしていると説明。
さらに、遺跡修復の手順について、用意してきた写真を見せながら、子供たちにわかりやすく説明していきます。
1) 現状図面作成
2) 危険箇所、崩壊箇所などの検討
3) 部材解体と精査
4) 部材修理
5) 仮組
6) 再構築
真剣に写真を見つめ、ソティ氏の話に熱心に耳を傾ける子供たち。
写真の中には、修復作業をする自分のお父さんやお兄さんの姿も映っていたりして、ときどき子供たちの中から歓声が沸き起こります。
最後に子供たちに、将来の夢を聞いてみました。
遺跡修復に関わりたい人は半数以上、次いで学校の先生や観光ガイドさん。
そして、もっともっとアンコール遺跡について知りたいという子どもたち。
次回は、皆で遺跡修復現場を見学したいですね!!
(よ)

