カテゴリー


月別アーカイブ

2020年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年



最新コメント


BLOG

8年間のバイヨン寺院、彫像・欄干修復事業が完了しました!~修復成果編~

スオスダイ!修復事業担当の下田です。

先月8月31日をもって、2012年から8年間続いてきた「アンコール バイヨン寺院 ライオン彫像およびナーガ彫像、欄干修復事業」がとうとう終わりを迎えました!!

この8年間で、バイヨン寺院の外回廊をぐるりと囲うナーガ彫像とその胴体の形をした欄干、そして各入口にたつライオン彫像をほぼすべて修復することができました!
area.jpg
その数ナーガ彫像73体(先日のJSTのfacebookでの数を修正させていただきます。。)、ライオン彫像23欄干の部材に当たってはなんと721部材

数百年ジャングルの中に放置され、その後内戦、20世紀初頭の過去の修復など様々な歴史を見守ってきたバイヨン寺院ですが、欄干や彫像の修復にあたっては、
部材が地面落ちていたり、ときには埋まっていたり、まったく違う場所に置かれてしまっていたりしていたため、
単なる部材修理だけでなく、巨大なジグゾーパズルのような作業もあり、
場所の数だけ修復ドラマがありました。。

今回そのすべては紹介しきれないですが、いくつかの修復ビフォーアフターをご覧ください!


<成果例①>バイヨン東正面入り口
eg_1.jpg
[修復前]ここはバイヨン寺院の入り口正面にの両脇にたつナーガ彫像と欄干でした。
修復前は、足の踏み場もないほどに欄干うざいが散乱し、(実際観光客の人々は彫像や石にコケそうになりながら進むしかありませんでした)彫像もゴロンと床に放置されていました。
DSCN8721.JPGのサムネール画像
[修復中]
ここではそのまま横にバタンと倒れて割れていた部材がほとんどだったため、元の位置を探すのには苦労しませんでしたが、とにかくかなりバラバラになって割れてしまっていたため、彫像を復元するための立体パズルが大変でした。。

71.4.2 (2).JPG
[修復後]JASAにより東門周辺も整備され、堂々としたナーガ姿が再びバイヨン入り口で訪れた人々を迎えてくれるようになりました!!

<成果例②>外回廊北西隅
65.4 (3).JPG65.4 (2).JPG

[修復前]ここでは多くの欄干が地面に落ちて、もはや寺院の上にはほどんと何も残っていない状態でした。

65.4.JPG65.4.1.JPG
[修復中]落ちていた部材に加え、外回廊の全く他の場所に置かれていた欄干が、実はこの場所に当初設置されていたものであるということが次々とわかり(よくわかりますよね。。)、どんどんと入れ替えを行い、安定した場所に設置していきます。
65.4 (1).JPG
IMG_4973.JPG
[修復後]修復前の写真を比べていただくと、いかに多くの部材を戻すことができたかお判りいただけるかと。。ナーガ達が立派に立ち上がり、バイヨン寺院の全景をとる場所としては絶好の写真スポットの一つとなりました!

<成果例③>バイヨン北東隅ライオン彫像
lion.JPG
[修復前]このライオン彫像は基壇の上に台座だけのこり、上半身は地面の上に落ちていました。
IMG_20200924_153252_517.jpgのサムネール画像のサムネール画像
[修復中]このライオン彫像の台座と上半身をつなげ、再び立ち上がれるようにするためには、失われた部分に新しい石材を補填する必要がありました。とても複雑な形で、しかもそれを違和感ない姿になるように彫刻しなければならず、当プロジェクトのスタッフでもかなりてこずり、最終的には日本国政府アンコール遺跡救済チームの熟練スタッフの指導と助力によりなんとか形になりました。

IMG_20200924_153415_696.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像
[修復後]これで再びバイヨン寺院の入り口の守護を堂々とした姿でしてくれるでしょう!

ここにご紹介したのはほんの一部になりますが、
ぜひまたカンボジアに訪れることができるようになった際には、
バイヨン寺院外回廊の欄干やナーガ彫像やライオン彫像の姿をご覧ください!

改めて、8年間にわたり本事業を支えて下さった皆様に御礼申し上げます。
次回は、立派な修復作業員として成長したスタッフ編をお送りします◎
DSC_0596.JPG
(麻)
※当事業は日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)の技術指導のもと、JSTと日本ユネスコ協会連盟の共同事業として実施されました。


コメントする