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12月に入り、カンボジアでは一年で最も涼しい時期に入り、当プロジェクトの修復工事も、現場を新たなエリアに写し、作業を開始しました。
場所は東参道の北側の欄干の中央エリア。このエリアでは、参道上に巨木が成長してしまい、その根が基段の内側に入り込み、大きく床面が変形してしまっています。その影響もあってか、ここでも多くの欄干部材が床面上に崩落して割れてしまっています。

2014.12-1.JPGのサムネール画像
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事前調査の結果、このエリアではシンハ彫像1体、ナーガ彫像1体を含む全部で41部材があり、その多くがひび、剥離、破損、破断、などの状況にあり、修理が必要であることがわかりました。また、この参道の北側現在はどの大部分が土砂に埋まってしまっている貯水池がありますが、この池端に散乱していた部材のなかから3つの欄干に関わる部材が発見されました。これらは現在所の特定を行っている最中です。
また、これまでの修復をおこなってきた他エリア同様、ここでもシンハ彫像、ナーガ彫像、欄干を設置する基段が大きく変形し、隙間を生じており、再設置にあたり危険な状況であるため、基段の改善作業を行う必要があることが確認されました。
2014.12-3.JPGのサムネール画像2014.12-5.JPGのサムネール画像のサムネール画像
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現在は、各部材を修理する前に、このエリア全体の修復の方向性、最終的な部材の設置方法などを決定するための仮置きをしている状態です。
各部材の番付、修復前の図面と写真による記録を終え、これにより、おおよその部材設置箇所や、各部材の修理方法、新材による補てんが必要となる箇所などが決定しました。2015年1月より本格的な各部材の修理が開始されます。

(麻)


明けましておめでとうございます!

昨年4月より第2フェーズを開始しましたナーガ・シンハ彫像修復プロジェクトの現場もみなさまに暖かく見守っていただき、無事新年を迎えることができました。

さて、6月の中旬から工事をすすめていた、バイヨン寺院東参道の北西角エリアの修復工事が昨年秋に完了しました!
この場所は、過去の内戦や倒木の影響を大きく受けていた箇所で、欄干が倒壊し、基壇状に散乱していたため、観光客にとっても危険な足場となっていると同時に、簡単に移動できたり踏むことができてしまっていたため、部材の破損が進んてしまっていた箇所でした。
当プロジェクトの修復によって、欄干を支えていた基壇も整備し、安定化することができました。
また、基壇内外側にも散乱していた石材を詳しく調べた結果、架木2部材がこのエリアのものであるということを特定することができ、そのほかにも修復前にはちぐはぐに置かれてしまっていた斗束などもオリジナルの場所を特定することができました。その他、大きく破損してしまっていた箇所には、新材による補てんを行いました。

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<欄干直下の基壇の石材が大きくずれ隙間ができてしまい、基壇が不安定な箇所を強化>
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<修理を終えた石材を、安定化させた基壇の上に仮置きして、どのような置き方をすれば安定して欄干を設置できるか微調整>
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<新材による補てんが必要な箇所への加工作業。チームのメンバーも石材の加工もかなり慣れてきました>


こうして場所を多くの場所を特定し、修復を受けた部材を丁寧に再設置し、大きく欄干の姿が生まれ変わり、参道の景観と安全を大きく改善することができました!

<修復前>                        <修復後>

2014.10 (3).jpgのサムネール画像2014.10 (2).jpgのサムネール画像


現在は、東回廊の北側中央部分(上記写真の東隣)の修復作業を開始しています!

今年もどんどん現場の様子をお伝えしていきたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします!

(麻)

※本事業は日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)の技術協力のもと、JSTと日本ユネスコ協会連盟との共同事業としてすすめられています。