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バイヨンのナーガ・シンハ彫像修復事業はいよいよ今週より、この事業のために結成された新チームでの本格的に修復工事を開始しました!

これからしばらくは、JASAのカンボジア人エキスパート、ベテランの作業員の方々から技術指導を受けながらの修復工事となります。

 

石材の洗浄トレーニング中。遺跡の石材は、まさにオンリーワンです。修理中の扱い方は赤ちゃんを扱うように大切にしなければいけません。むやみにゴシゴシとするのは禁物。引っくり返すのも慎重にしなければなりません。ベテラン作業員から指導をうけます。

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こちらは、砂岩修理につかう粉末砂岩を作っている様子。

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JASAの作業員から図面の書き方トレーニングを受ける新メンバー達。

修復前の各石材の記録はとても重要な作業であり、図面記録は修復工事の基本ともいえます。みなとても真剣な目をして先輩の図面描きの様子を食い入るように見ています。指示を受けながら石材を測っていく。一日が終わるころには少し慣れてきた様子でした。

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今後は、洗浄、図面描きトレーニングを経て、いよいよ石材修理トレーニングへ。といっても劣化した石材は患者さんのようなものです。一つ一つ症状に合わせて対処方法を考えなくてはいけません。 

新メンバーたちはこれから少なくとも3ヶ月のトレーニング期間に、いろいろな石材に対峙しながら、成長していってもらえると嬉しいです。(島)

今週月曜日、9/17より、新事業<バイヨンのナーガ・シンハ彫像修復事業>が開始しました!

(事業の正式名称は『世界遺産アンコール遺跡群 石像修復プロジェクト ―バイヨン寺院 ナーガ、シンハ彫像―』)

 

バイヨン寺院の外回廊には、寺院を囲むように欄干がめぐらされており、この欄干にはナーガ像(ヒンドゥー圏で崇拝されてきた蛇神の像)が、また、寺院の各入口にはシンハ像(シンハはサンスクリット語でライオンを意味する。王権の象徴)が設置されています。これらの彫像は寺院の繁栄と守護を司る重要な存在といえます。

 

これらの彫像は過去にフランスの修復隊による修復が行われたものの、後の内戦の混乱を経て、彫像の多くは再び劣化、破損し、遺跡の周囲に散乱しています。

 

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これらの寺院にとって象徴的な意味を持つ石彫像や欄干を修復・再整備することは、バイヨン寺院の景観整備と宗教的な価値の回復のために欠かすことの出来ない最重要課題の一つであります。

 

そこで、新たな取り組みとして、JSTでは日本ユネスコ協会連盟と協力し、JASA(日本国政府アンコール遺跡修復チーム)の技術的な協力を受け、このバイヨン ナーガ、シンハ彫像修復事業を実施することになりました。

 

4月より様々な準備を経て、9月に入り、現場の本格的な準備を進めてきました。

 

これは現場準備一つ。作業小屋の設置の様子と解体・移動中の欄干の様子です

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こちらはマーケットや店で購入した石材の修復に使用する道具類。 120918 (9).JPG

石材を洗うための歯ブラシ、接着剤を詰めるための注射器から、ドリル、ホース、修理した石を固定するベルトなどなど。石材を修理するために必要な道具はリストにしてもざっと40以上!楽しい買い物でした。

現場スタート編は次号へと続きます。(島)