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バイヨン本尊仏の模刻の制作経過を報告します。
3月末に日本から指導に来られた矢野先生が戻られて以降,順調に仏像全面の加工が進みつつあり,顔や腕の外形が少しずつ露わになってきました。
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120521_2.JPGグラインダーで溝状に切り込みを入れて,石材表面を少しずつ落としていますが,今回使用している砂岩が一般的なものよりもかなり堅いために,グラインダーのブレードはほぼ毎日新しいものに交換しなくてはならないほどです。

さらなる細部加工に入るにあたり,水平方向の型枠を制作しています。
三次元計測データより断面を原寸でおこしたものをベニヤ板にカーボンコピーで写します。それをジグゾーで切断して型枠にするのです。
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120521_4.JPG実際にこうして作成した型枠が正確なものであるかどうかは,オリジナルの仏像で一枚ずつ確かめていきます。
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型枠は最終的な形状から少し大きめのものも作り,荒削りから段階的に細部彫刻へと進んでいきます。(一)

昨年末よりJASA第四次フェーズが開始し、外回廊の修復工事を開始しました。工事は南西隅塔より着手しています。

この塔は、一般的な観光順路の一部であったため、これまでは毎日大勢の観光客がこの塔の中を歩いていましたが、上部の石積みが変形し、かなり危険な状況にありました。そのため、今年1月よりこの塔を通行止めとして修復工事を開始しました。

120506_1.JPG修復工事は現状記録から開始されます。この建物は平面が複雑であるため、今回の修復前記録では立面、断面、平面、屋根付図など計20面以上の図面を作成しています。3名が一組になり現場での実測が進められます。今回は細部装飾まで含んだかなり詳細な図面を作成しています。

 

120506_2.JPG 120506_3.jpg建物の回りには多数の石材が散乱しており、その多くが既に壊れている塔の上部のものと推測されます。土砂が堆積しているために、それらの除去を行った後、これらの石材の原位置の記録を行います。

120506_4.JPG 120506_5.JPG 120506_6.jpg記録の終わった石材から移動し、それらの部材の組み合わせる調査に入ります。かなりの部材において隣り合う部材の組み合わせが確認され、原位置も特定されつつあります。

 

120506_7.JPG今後さらに散乱石材の記録・同定調査を進め、基壇の一部解体調査、劣化部材の修復作業などを順次開始していく予定です。(一)

日本ではゴールデンウィークとなる5月初旬、カンボジアでは乾季も最後の時期でトンレサップ湖の水面が最も下がる時期に、トンレサップ湖上でボーリング調査を行いました。

調査は大阪市立大学の原口強先生を中心に、東北大学の星野安治先生、そして九州大学の福本侑さんが実施されました。

ボーリング調査の目的は、トンレサップ湖がどのようにできたのかを解明すること。これまでに湖底の探査などを行ってきましたが、いくつかの重要地点の堆積物を回収し、分析することが目的です。

120505_1.JPG湖の上で調査をするためには、充分な浮力のある足場を確保する必要があります。今回は大きな発泡スチロールをイカダのようにして組んで、フロートを作りました。調査地点は湖のほぼ中央、そこまではボートで向かいます。早朝にボートに機材一式を積み込み、調査地点まで1時間ほどボートで湖を突き進みます。乾季には湖面が落ち着いているために、湖上生活の家屋は河口より外に出たところに集まっているようすが眺められます。

 

120505_2.JPG 120505_3.JPG調査地点まで、GPSをたよりに進路を定めて向かいます。湖と言っても海のようなこの大湖。対岸は全く見えません。プノン・クロムの丘だけが方角を指し示す目印です。

 

120505_4.JPG調査地点に到着。フロートを狭い甲板上で組んで水面に浮かべます。さらにその上に三つ又を組んで、準備を進めます。見渡す限りの湖だというのに、足が湖底に着いてしまいます。水深1mにも満たないのです。

大人が4、5名乗ってもほとんど沈まず、安定した足場が完成しました。

 

120505_6.JPG 120505_7.JPGここから永遠とボーリング作業。。。ロッドを差し込んでは引き抜き、湖底の堆積物を攪拌することなく採取していきます。

 

堆積土はきめの細かい粘土。きつい日差しを避けるために途中からはこの泥を体に塗りながら作業を進めることに。

 

120505_8.JPG 120505_9.JPGサンプルが上がると写真をとってそのまま密閉して保管します。

120505_10.JPG今回は二日かけて2本のボーリングをしましたが、10m以上の深さの連続的なコアをサンプリングしました。泥パックも良好で多少は肌がキレイになったかも。

サンプルは今後様々な分析が進められる予定です。(一)