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サンボー・プレイ・クック遺跡の煉瓦造祠堂にて修復工事を進めています。

現在進めているのは、遺跡群内でも最も大きな境内を有するプラサート・サンボー寺院の中央祠堂です。塔の各所が崩落の危険に瀕しており、数年前の降雨時には部分的な煉瓦積みの倒壊がおきています。既に扉回りなどの特に危険な箇所にはサポートを入れており、また階段や室内の再構築工事を終えていますが、今回は技術的にも困難な上部の煉瓦積みの解体ー再構築工事に取り組んでいます。

120424_01.JPG東面の扉回りから工事に着手しています。変形が著しい箇所にて、上から順に煉瓦の層を解体していきます。予想以上に壁体の内部まで煉瓦の破損がひどい状況であることが確認されています。

120424_02.JPG特に、この塔は各所にて増築された痕跡が認められていますが、上部の増築部分の破損が進んでいることが判明しました。

120424_03.JPG解体した煉瓦材の原位置が分からなくならないように、丁寧に一つずつの煉瓦に番付をして、位置を記録します。

 

解体された煉瓦材のほぼ全てが破断しているために、それらを丁寧に接合する処置を行います。仮設屋根の下に、数段の棚を設け、ここに各層の煉瓦を保管し、接合処置を進めます。

120424_04.JPG破損が著しいものについては、原位置の特定できない状態のよい煉瓦材に置き換える予定ですが、できるかぎり解体部材をそのまま再構築することを目指しています。おそらく8割方の部材は再利用が可能だと見込んでいます。

120424_05.JPG解体される煉瓦はかなりの数におよぶため、これらの位置を保ちながら、接合していく作業は気が遠くなりますが、一つ一つ洗浄して、接着する丁寧な作業が続きます。

120424_06.JPGあと1ヶ月ほど東面の崩落危険箇所の解体工事が継続される予定です。

 

サンボー・プレイ・クック遺跡群保全事業は住友財団と文化財保護芸術研究助成財団からの支援により進められています。(一)